
平畠啓史セレクト! 25年“J助っ人”ベストイレブン|シンプル・イズ・ベストなグスタフソン。ブエノはあらゆるプレーの質が高かった
J1リーグのベストイレブンを毎月、勝手にセレクトさせていただいてますが、今回はJリーグを盛り上げてくれた外国籍選手のベストイレブンを勝手にセレクト。カテゴリーに関係なくというお話だったので、少しだけですがJ2、J3の選手も加えてみたいと思います。
GKは岡山のスベンド・ブローダーセン。守備ベースの戦いの中でも最後の砦として立ちはだかったのはブローダーセンだった。プロフィールでは188センチということだが、もう少し大きく見える。それは手足の長さとしなやかな動きと存在感がもう少し大きく見せているのだろう。初J1だった今シーズンの岡山だが、毎試合ホームゲームはチケット完売。その盛り上げにも大きく貢献した。
東京Vのマテウスはもっと評価されても良い選手の一人。今シーズンもコンスタントな活躍を見せた。J3の相模原に所属し、ドミニカ共和国代表にも選出されたバウマンも素晴らしいパフォーマンス。194センチながら反応が鋭く、ビッグセーブも多く存在感抜群だった。
DFは3バックで右には神戸のマテウス・トゥーレル。最近、Jリーグでは色んなデータを公開しているが、トゥーレルはトップスピードという項目で13位タイ。C大阪のチアゴ・アンドラーデと同じトップスピード。これは速い! もちろんセンターバックタイプの選手の中ではトップ。186センチで屈強なディフェンダーがアンドラーデと同じスピードで相手に向かってくるのだから、迫力は十分。今シーズンも素晴らしいパフォーマンスだった。
中央には浦和のマリウス・ホイブラーテン。守備もフィードも安定感抜群。キャプテンマークを巻いてのプレーも多かった。退団が決まっていたなかでの最終節・川崎戦。82分の交代時、スタジアム中が万雷の拍手に包まれたという事実こそ、愛され、信頼されていた選手の証だった。
左には鹿島のキム・テヒョン。関川郁万の負傷という難しい局面を迎えた鹿島だったが、キム・テヒョンがチームを救ったと言っても過言ではないだろう。15節・福岡戦からスタメン起用され、出場停止の32節・名古屋戦以外はフルタイム出場。大きなミスもなく、左足のフィードで攻撃の起点にもなった。19節・G大阪戦でのレオ・セアラのゴールを演出したパスは見事だった。
ボランチは清水のマテウス・ブエノと浦和のサミュエル・グスタフソン。総走行距離3位のブエノ。1位は名古屋の稲垣祥。2位が福岡の松岡大起だった。あらゆるプレーの質の高さはゲームを見れば分かるが、チームのために走れる選手であることがデータからも証明されている。
シンプルで無駄がないグスタフソン。どんな分野でもシンプルこそが一番難しいと言われるが、グスタフソンはそのシンプルさを突き詰めたようなプレーを披露する。点と点がグスタフソンを経由すれば線になっていく。プラットフォームのような存在だった。
中盤の右にはC大阪のルーカス・フェルナンデス。32試合に出場し7ゴール・15アシストでアシスト王。今季は得点も増加。終盤、残念ながら負傷でゲームに出場することができなかったが、それでも文句なしの数字。クロスを送る体勢に入っただけで、期待感が高まる選手。素晴らしい活躍だった。
左には、通常はシャドーポジションの長崎のマテウス・ジェズス。カウンター気味にドリブルを始めると、ファウルでも止めることができないようなスピードとパワーとテクニック。役者の違いを見せつけた。ほぼフルタイムに近い全試合スタメン出場で、19ゴール・6アシストで得点王。かつてはG大阪でJ1でのプレー経験はあるが、さらにスケールアップしたジェズスが来シーズン、J1でも大暴れするところを見てみたい。
FWは鹿島のレオ・セアラ、C大阪のラファエル・ハットン、そして京都のラファエル・エリアス。負傷もあって27試合出場にとどまったエリアスだが、ゴール数は18。2回のハットトリックなどゴールを奪う時の集中力がとにかく凄い。誰も寄せつけないような圧倒的な空気感を身に纏う。
ハットンはエリアスと同じく18ゴールだが、複数ゴールは2ゴールが2回。コンスタントにゴールを重ねていたことになる。アンドラーデのスピード、柴山昌也のドリブルからのチャンスメイク、中島元彦の高い技術。魅力的なC大阪の攻撃陣の中で、ハットンは存在感を示した。
重ねたゴール数は「21」。見事、得点王に輝き、鹿島を優勝に導いたレオ・セアラを外国籍選手のMVPに。今シーズンの最優秀ゴールに選ばれた24節・柏戦のスーパーロングシュートには度肝を抜かれた。5節・柏戦でのハットトリックも見事。優勝を決めた最終節・横浜FM戦での2ゴール。常にゴールを狙う姿勢にはストライカーの矜持を感じる。
そして、優勝目前、ベンチで溢れてきた涙は感動的だった。鹿島の優勝に大きく貢献し、5年連続で二桁得点を達成したレオ・セアラを、勝手に今シーズンの外国籍選手MVPに致します。
取材・文●平畠啓史
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