広島カープの新井貴浩監督が、来季も続投することが決まった。来季は4年目に突入する。
今季の広島は、夏場に大きな失速を喫した。7月の月間成績はわずか4勝16敗3分と低迷。8月は持ち直したものの、阪神戦では6勝19敗と大幅に負け越し、最下位のヤクルトにも8勝11敗と分が悪かった。結果、2年連続でBクラスが確定。昨季に続く失速で、ファンの失望も大きい。
それでも続投を決断した松田元オーナーは、「来年以降もつ辛いかもしれないが、絶対に成果を出してくれると思っている。成果を見られるよう、その分(長い)年月をやればいいと思っている」とコメントしている。
一見すれば1年ごとの契約更新に見えるが、広島担当記者によれば「新井監督就任時から実質5年契約を前提としたもの」とされる。こうした背景もあり、オーナーの強い信頼が続投に直結したとみられる。
しかし、この決定はファンの間で賛否を呼んでいる。広島は市民球団としての独自色が強いが、その経営姿勢に疑問を投げかける声も少なくない。MLBへ移籍した前田健太や鈴木誠也のポスティング資金を自治体に寄付するなど、地域密着型の姿勢は評価される一方、配信サービス「DAZN」との契約を主催試合で結ばず、多くのファンが観戦機会を失っているのも現状だ。昨年9月、阿部巨人が広島で優勝を決めた試合もDAZNでは中継されず、落胆の声が広がった。
こうした球団方針には、松田オーナーの意向が色濃く反映されているとされる。ファンの不満が高まるなか、新井監督続投には「結果を出せなければ一気に暗黒時代が再来する」との厳しい見方もある。観客動員数についても「広島だけ前年比マイナスに転じる可能性がある」との指摘が記者から出ており、球団経営にとっても危機感は増している。
プロ野球は結果がすべての世界。新井カープに残された猶予は多くない。来季こそ勝利でファンの期待に応えなければならないだろう。
(小田龍司)

