ロサンゼルス・クリッパーズのカワイ・レナードは、攻守のバランスの取れたリーグ屈指の2ウェイプレーヤーとして知られる。2011年にプロ入りし、今季でキャリア15年目を迎えたフォワードは、サンアントニオ・スパーズ時代の14年、そしてトロント・ラプターズ在籍時の19年に優勝を果たし、いずれもファイナルMVPに輝いた。
34歳となった現在も第一線で活躍を続けているレナードだが、元チームメイトのフレッド・ヴァンブリート(現ヒューストン・ロケッツ)が、ラプターズ時代の知られざる舞台裏を明かした。
プレーオフで16年から3年連続クリーブランド・キャバリアーズの前に敗れていたラプターズは、18年のオフにスパーズとの大型トレードを敢行。フランチャイズスターだったデマー・デローザンを放出し、レナードを獲得した。
この大胆な決断は結果的に実を結ぶことになった。チームは19年のファイナルで2連覇中のゴールデンステイト・ウォリアーズを破り、球団創設24年目で初の優勝を成し遂げた。
レナードはシリーズ平均28.5点、9.8リバウンド、4.2アシストの好パフォーマンスを披露。MVPを獲得しトロントの英雄となったが、優勝からわずか1か月後の19年7月に地元球団のクリッパーズへ移籍した。
ただ、レナードと1年間共闘したヴァンブリートによれば、その決断は決して突然のものではなかったという。
ポッドキャスト番組『Hello and Welcome』に出演したヴァンブリートは、当時のレナードについてこう振り返っている。
「彼は初日から『ここに残るつもりはない』と言っていた。『なぜ自分をトレードで獲得したのかわからない。ここに来たくなかったし、残るつもりもない』とね」
それでも、トロントはできる限りの誠意を尽くしたとヴァンブリートは続けた。
「街全体が、これまでに見たことがないほど彼を歓迎した。でも、彼の気持ちは最初から決まっていた。カワイはカワイなんだ。彼が優勝に導いてくれたこと、そして自分が評価を確立し、大きな契約を手にするきっかけを作ってくれたことには、永遠に感謝している。僕たちは彼に大きな恩義がある」
18-19シーズンのラプターズはレナード、ヴァンブリート、パスカル・シアカム、カイル・ラウリー、マルク・ガソルら実力者を多数擁し、レギュラーシーズンをイースタン・カンファレンス2位の58勝24敗でフィニッシュ。プレーオフではオーランド・マジック、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ミルウォーキー・バックスを下してイーストを制覇。そしてファイナルでウォリアーズを4勝2敗で下し、頂点へと駆け上がった。
レナードの心は最初からトロントにはなかったもしれないが、彼がもたらした栄冠は、ラプターズと地元ファンの記憶に残り続けるだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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