アルピーヌのドライバーとしてF1に参戦するピエール・ガスリーは、かつてレッドブルのドライバーとしてジュニアチームからの昇格、そして降格を経験した。彼が当時のことを振り返る。
ガスリーは2014年にレッドブルジュニアチームに加入すると、GP2、スーパーフォーミュラでの活躍を経て2018年からF1にフル参戦開始。現在のレーシングブルズの前身であるトロロッソで活躍した。同年にチームメイトのブレンドン・ハートレーを大きく上回る成績を残した結果、ガスリーは翌2019年シーズンからのレッドブル昇格を勝ち取った。
しかしながら、ガスリーを待っていたのは苦しい日々だった。近年のレッドブルのセカンドドライバーと同様に、チームの絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンに匹敵するような成績を残すことができず、シーズン途中のベルギーGPでアレクサンダー・アルボンと交代となり、トロロッソに降格させられてしまった。
ガスリーはF1公式サイトのインタビューで当時のことをこう振り返っている。
「正直に言えば、悲しかった」
「2019年は僕にとってF1での2年目だったけど、どこからもサポートがなかった。巨大なチームがマックス(フェルスタッペン)を支えているような感じだった。彼は結果を出していたから、そうなるのは当然のことでもあったけどね」
「でも僕のエンジニアは、F1での経験がないフォーミュラE出身の新任エンジニアだった。とても奇妙な状況だったし、本当に力を発揮するためのツールを与えられていなかったと感じている」
「それでも僕は、ドライバーとして結果を出すためにここにいる。だからなんとか自分の力で戦おうした。彼らも満足していなかったと思うけど、それは僕も同じ。自分の持つポテンシャルを示せないことが分かっていたからだ」
トップチームからの降格は当然ながら屈辱的なものであるはずだが、ガスリーはトロロッソ行きが決まった時、安堵すら感じたという。
「ほっとしたような気分だった」
またガスリーはトロロッソ復帰初戦での心境についてもこう明かした。
「決していい空気ではなかった。自分の仕事をして、ベストを尽くそうとしているだけなのに、周囲には多くのネガティブな感情があった」
「でも、それを受け止めて進むしかない。僕はただ、クルマを走らせたかっただけだった」

