近年は、体の中で起きる酸化(サビ)が、白髪と深く関わっていることもわかってきています。
さらに、この“サビ”は体だけの話ではなく、私たちが日常的に口にしている食品そのものにも起こります。
白髪と酸化についての話から、食品の酸化や抗酸化成分の取り入れ方、油の選び方・使い方まで、内科医・工藤あき先生の解説をもとにご紹介していきます。
白髪はなぜ増える?メラノサイトと酸化ストレスの関係

髪の色は、毛根にあるメラノサイトという細胞が作るメラニン色素によって決まります。
このメラニンが作られ、髪の内部にきちんと受け渡されることで、黒や茶色の髪が保たれています。工藤先生は、白髪が生えてくる状態について、「メラノサイトの数が減ってしまったり、メラニンを作る力が弱まったり、作ったメラニンを髪にうまく渡せなくなっている状態」と解説されています。
その背景の一つとして挙げられるのが、活性酸素による酸化ストレスです。活性酸素は、ウイルスなどを攻撃する役割を持つ一方で、増えすぎると自分自身の細胞にも影響を及ぼします。
活性酸素が過剰になることで、メラノサイトの細胞膜やDNA、タンパク質が傷つき、細胞の寿命が短くなったり、メラニンを作る代謝の流れがうまく回らなくなる可能性があるといい、工藤先生は「鉄が空気に触れて錆びていくようなことが、体の中でも起きているイメージです」と解説されました。
白髪は体がサビついたサイン?
白髪は、老化現象の一つであることは大前提ですが、そのうえで酸化ストレスの蓄積の結果として白髪が現れるケースも考えられます。活性酸素による酸化ダメージは、メラノサイトだけでなく、全身のさまざまな細胞に影響を及ぼします。その影響が髪の色を作る細胞に現れた場合、白髪として目に見える形で出てくることがあるとのことです。
工藤先生は、「白髪は体がサビびついたサイン」と表現され、 酸化ストレスによるダメージが細胞に及んだ結果として、 その一つの現れが白髪として表に出てくることがあると説明されています。
