・彩り
開くとこんな感じ。なかなか良いじゃないですか。ご飯もおかずも、共に彩り豊か。ビジュアル的な楽しさにも配慮されているように思う。
まずは上段側、つまりおかずから。
上下に分かれており、上のカップ入りのは赤パプリカの乗った蓮根ツナサラダ和え、そして桜島鶏つくね焼、山芋入りしんじょ黄金揚げ、そして合鴨燻製だ。
下がシイタケ旨煮、白身魚入りつみれ豆腐、カニカマ、ニンジン、茄子オランダ煮、さやいんげん。様々なものがバランスよく入っている感。
続いては下段のご飯だ。
見てのとおり、五目御飯である。ライス層の厚みは控えめ。メタボ中年男性の私的には、ちょっとボリューム的に物足りない所もあるか。まあしかし、腹八分目という考え方もある。
五目御飯の上には、赤魚祐庵焼き、揚げ海老芋、厚焼玉子、ニンジン、グリーンピースが乗っている。通常の里芋ではなく、海老芋な点がテクいチョイスだと思う。
海老芋は里芋の仲間で、里芋同様に冬が旬の野菜だ。京料理のお店くらいでしか、都内では見かけないように思う。価格も基本的に里芋より高い。ささやかに仕込まれているちょっといい食材。
味付けは、上段下段ともにとてもやさしく、濃すぎず薄すぎずなラインを的確に攻めている。強い特徴は無いが、逆にこれが嫌いという人も出ないのではないか。
出張だらけのサラリーマンなどは、私のようになんだかんだ年間300食くらい弁当を食べているだろう。基本的に弁当というのは味付けが濃い。
たまにならいいが、毎日続くと舌が疲れてくるように思う。そういう時に、この「冬あかね」くらいのサラッとした味付けを食べたくなる。さすが「なだ万」。丁寧な仕上げです。
