2027年に大規模な技術レギュレーション変更を迎えるにあたり、ホンダは何か直前でのイレギュラーがない限り、近年のマシンと同じ命名規則に従ってマシン名を変更してくると見られる。
予想されているホンダの2027年以降の新MotoGPマシンの名称は「RC214V」だ。
現在ホンダが使用しているMotoGPマシンの名称は、ロードレース世界選手権がWGPという通称から、今のMotoGPへと切り替わった時から続いているものだ。
2001年、ホンダはMotoGPの500ccクラス最後の年にバレンティーノ・ロッシがNSR500でタイトルを獲得して、990cc4ストロークエンジンの新時代に向かった。
そしてMotoGPクラス初のシーズンとなる2002年にホンダが投入したマシンの名前が、RC211Vだった。
ホンダのマシン名の意味は『RC:レーシング、21:21世紀、1:21世紀最初のマシン、V:V型エンジン』というものだ。このマシンでホンダはロッシが2回、ニッキー・ヘイデンが1回チャンピオンに輝いた。
そしてここからレギュレーションの変遷に伴って、マシン名は少しずつ更新された。
MotoGPの次のレギュレーション変更は、2007年。マシンが800cc化されたタイミングで名前がRC212Vへと変更された。
RC212V時代にはケーシー・ストーナーがチャンピオンに輝いたが、このマシンではその1回のみにとどまった。
MotoGPはその後2012年に再びレギュレーションが変更。再びエンジン排気量が拡大され、1000ccとなった。RC213Vと名称が変更され、そこから枝葉のレギュレーション変更はあったものの、この世代は長く続くことに。そして、MotoGP世代では最も成功を収めたマシンとなった。
RC213Vはマルク・マルケスの手によって、通算6回のMotoGPタイトルを獲得。2010年代の最強マシンとして君臨した。
前述のとおり、次のレギュレーションサイクルは2027年に始まり、850ccエンジンの導入、空力規制の強化、ライドハイトデバイスの廃止、そしてピレリタイヤへの変更と、各種パッケージが刷新されることになる。
ホンダがすでに数ヵ月前から開発を進めているこの新型マシンは、直前になって大きな変更がない限り、RC214Vと呼ばれる予定だ。上記の命名法則を振り返れば自明のことだ。
なお、ホンダとは異なり、他のメーカーはレギュレーション変更後もマシン名を継続すると見られている。KTMはRC16、アプリリアは年式を付したRS-GP(RS-GP27)、ヤマハはエンジンをV4形式に変更するものの、YZR-M1の名称を引き続き使用する見込みだ。
またドゥカティもデスモセディチGPの名称を維持する。GP24やGP25といった呼称はあくまでメディア側やファンによる非公式な呼び方であり、メーカー側の正式名称ではないことを強調している。

