
櫻坂46が、12月16日~17日の2日間にわたり「Buddies感謝祭 2025 EX」を千葉・幕張イベントホールにて開催。17日の公演の後半には、二期生・井上梨名の最後のステージとなる「井上梨名 卒業セレモニー」が実施された。
■「櫻坂46 こちら有楽町 星空放送局」企画からイベントがスタート
2022年12月に東京・日本武道館で初開催された「Buddies感謝祭」は、櫻坂46からBuddies(※ファンの呼称)へ感謝を伝えるイベント。2025年は、一期生・小池美波の卒業セレモニーも併催された3月の「Buddies感謝祭2025」に続く2度目の開催となった。
井上、松田里奈、武元唯衣からなる“いのまちゅ”による影アナに続いて、「櫻坂46 こちら有楽町 星空放送局 出張版」からイベントがスタート。井上が3年半にわたりメインパーソナリティーを務めるラジオ番組「櫻坂46 こちら有楽町 星空放送局」(ニッポン放送)の1回限りの特別版が、会場で実施された。
出張版には、メンバーが2つのチームに分かれて登場。井上宛てに送られたメールを誰が書いたかを当てる企画を実施し、終始井上はニヤニヤ顔に。また、「最後の早口妄想大爆発」のコーナーでは、井上、大園玲、武元、松田の4人を中心にさまざまな“妄想シチュエーション”で大討論を繰り広げた。
4代目パーソナリティーとして番組を担ってきた井上は、「メンバー全員での『こち星』、叶いました!」と喜びを口にし、最後はメンバーのサイン入りグッズを来場者に抽選でプレゼントし、企画パートを締めくくった。
■ライブパートは「Microscope」からスタート
そこからイベントはライブパートへ突入。客席が井上のペンライトカラーである青1色に染まる中、久しぶりに披露される「Microscope」にてライブは幕を開けた。
井上を含む同楽曲のオリジナルメンバーに三期生を加えた編成で、柔らかさやかわいらしさを打ち出したパフォーマンスで会場を幸福感で包み込むと、続く「桜月」では桜色に染まった客席を前に、美しさや儚さを漂わせた歌とダンスでファンを魅了した。
MCでは、谷口愛季が「滑舌が悪い人が一人いなくなってしまうのは寂しいんですけど」と、同じ“滑舌悪いキャラ”として先輩・井上をイジる場面も。一方、守屋麗奈は「今日を楽しみにしていたけど、来てほしくないなとも思っていて。たくさん目に焼き付けて、思い出に残したいと思います」と意気込みを語った。
和やかなMCの後は、四期生による「死んだふり」でライブを再開。11月に開催された「新参者 二〇二五 LIVE at THEATER MILANO-Za」以来の9人全員での披露ということもあり、よりパワフルさが増した四期生のパフォーマンスで会場の熱気を上昇させた。
また、「13th Single BACKS LIVE!!」で座長を務めた谷口ら、先日ライブを終えたばかりの“BACKSメンバー”10人が「木枯らしは泣かない」を披露し、切なくも情熱的な世界観を作り上げた。
■2025年を振り返るMCトークも
2曲歌い終えた後のMCパートでは、2025年を振り返るトークを展開。四期生の山川宇衣は、「たくさんのことを経験させていただいて、あっという間の1年でした。1つひとつのライブが印象に残っていて、Buddiesの皆さんのおかげで楽しく過ごすことができました」と、4月に正式加入してからの日々について明かす。
向井純葉は「かわいいと大好きが止まらない1年でした。加入してきた四期生ちゃんが愛おしいし、二期生さんへの愛も止まらなくて。そして何より、Buddiesの皆さんがかわいくて」と、先輩後輩問わず愛を向け続けた1年となった様子。
さらに、大園は「前回のBuddies感謝祭で一期生さんが全員いなくなり、そのあとに四期生が入ってきてくれた。そんな四期生をかわいがって先輩している三期生もまたかわいいし、何年も一緒にいるけど今が一番大好きなのが幸せ」と、感慨深げに2025年を振り返った。
ライブは「最終の地下鉄に乗って」で後半戦に突入。優しい曲調で会場に温かな空気を注ぎ込むと、続く「美しきNervous」にて再びギアを上げた。そして「それが愛なのね」では会場をダンスフロアに一変させた。
この日のラストナンバーに選ばれたのは、最新シングル「Unhappy birthday構文」。それまでのハッピーさからクールでダークな空気へと激変すると、圧倒的なパフォーマンス力とともに唯一無二の世界観で櫻坂46らしさを提示し、ライブパートを締め括った。
■ピンクのドレスをまとった井上梨名
そして、いよいよ井上の卒業セレモニーが開幕。会場中から「いのりコール」が鳴り響く中、井上のソロ歌唱にフィーチャーした「五月雨よ」からセレモニーがスタート。井上は、前半を同期の二期生とパフォーマンスし、後半を三期生と共に披露。曲終盤には四期生も加わった。
11thシングルのBACKSメンバー曲「ULTRAVIOLET」では、幸福感の強い歌とダンスで観客を楽しませつつ、井上と武元のペアダンスをフィーチャーした見どころも用意。主役である井上にスポットを当てた形でセレモニーは進行した。
その後、レギュラー番組「サクラミーツ」(毎週木曜深夜1:58-2:17ほか、テレビ朝日ほか)のメンバー6人(井上、大沼晶保、武元、増本綺良、谷口、中嶋優月)で息の合ったコントを見せると、ステージに残った井上、大沼、武元、増本がその流れで「イザベルについて」を披露。初代“ミーツメンバー”の4人ならではのパフォーマンスに、客席からは一際大きな声援と拍手が送られた。
そして、本人や同期、後輩からのコメントを交えた、欅坂46加入時から今日までを振り返る映像に続いて、ピンクのドレスを着た井上がステージに登場。大園、田村保乃と共に「ずっと 春だったらなあ」を歌い始めると、会場はどこか感傷的な空気に。
そんなムードを振り払うかのように、井上は松田との“ふたりな”コンビで「On my way」を力強い歌声と満面の笑みで披露。曲中、お互いに対してやBuddiesに対して「大好きだよ!」と叫ぶ場面もあり、客席からは歓喜の声が湧き上がった。
■井上梨名「未来まで、Buddiesのおかげで生きていけると思います」
そして、ステージに一人残った井上は、客席に向けて最後のメッセージを語りだす。「私は7年前にこのグループに加入したんですけど、どこにでもいる女子高生が、先輩たちがテレビだったりMVだったりでパフォーマンスする姿に心を動かされて、それが人生の支えになりました。憧れの人たちみたいにたくさんの人を笑顔にして、支えられる人になれたらと、人生で大きな決断をしました」と、グループ加入の経緯を振り返る。
続けて、「そこからはうまくいくことばかりじゃなかったし、思うように活動できなくて、グループや自分自身が暗くなってしまう時期もありましたし、自分の居場所はどこなんだろうと、もがく時期もありました」と、苦悩した時期について明かしつつ、「そんな中、いつもそばにいてくださるBuddiesの皆さんが道を照らしてくれたから、ずっと前を向いてここまで活動することができました」と、Buddiesの存在が大きな支えになっていたことを告白。
スタッフや家族への感謝、各期のメンバーへの愛を述べつつ、苦楽を共にしてきた同期の二期生へは「みんなが本当に大好きで。おばあちゃんになっても二期生曲とかいろんな曲、いっぱい踊ろうね」と未来の約束を口にする場面も。
そして、Buddiesには「皆さんがいたから櫻坂46はここまで来ることができたし、私も今日まで、なんなら未来まで、Buddiesのおかげで生きていけると思います。この“チーム櫻坂”ならどのメンバーも輝ける、そんなグループになっています。自分で言うのも恥ずかしいけど、それは私が証明していると思います。たくさんこの7年間で輝けました!」と本音を口にした。
■同期や後輩が“愛されキャラ”井上にエールと感謝を
その後、二期生が一堂に会してトークを展開。「イザベルについて」披露前のコントは井上自身が脚本を書いたことや、ドレスのイメージについては「いくつか候補があった中で、衣装さんからこれは『みんなの初恋』がテーマと言われて、即決しました」などと裏話を明かした。
そんな井上に対して、森田ひかるは「何かあったらいつでも頼ってほしいし、ずっと応援してるから、これからの人生も井上らしくかわいい笑顔でいてね。自分が思っているより素敵な人なんだから、そこを誇ってほしい」とエールを。
バラエティー番組でも共に先陣を切るなど、“相方”と呼ばれるほど親交の深い武元は、涙を堪えながら「最後の日に最高なところを持ってくるところが井上梨名。最後に一番の井上梨名を見せてくれて嬉しいし、こんなにキラキラした人の隣で歌えてうれしかったです」と感謝を伝えた。
さらに、後輩の三期生と四期生も合流。山田桃実は「一緒に活動できたのは8ヶ月だけだったんですけど、この期間で学んだことはたくさんあります。悲しいし気持ちも寂しい気持ちも大きいんですけど、この先も尊敬の気持ちは一生変わらないので、これからも変わらぬ井上さんでいてください」と思いを吐露。
中嶋は「私は井上さんと仕事をするのが好きで、どの現場でどんなお仕事をするにもずっとお手本でいてくださいました。これからも一緒に経験したいことがあったから、今日の別れは本当に寂しい気持ちでいっぱいです。こんなに心にぽっかりと穴が空いてしまうのも、たくさんお世話になったから…」と涙を浮かべた。
そんな中、キャプテンの松田は「井上といるときはキャプテンじゃない自分でいられたし、それが自分の心の支えになっていた。たくさんいろんな言葉ももらったし、困っていたらすぐ気づいて隣に来てくれたし。井上がいなかったら、踏ん張れない瞬間がたくさんあった」と、井上に支えられていたことを明かす。
続けて、「なのに、井上は弱い部分をまったく見せない。いつも頼ってほしいなと思っていたけど、それは井上なりの芯であり考え方で、そこも井上らしくてカッコよかった。同期も後輩も井上の姿をたくさん見てきたと思うけど、アイドルとしても人としてもお手本のような人。だから、私は井上みたいな強い人間になりたいなと思いました」と伝えた。
■「7年間のアイドル人生、100点満点です!」
会場が感傷的な空気に包まれると、井上は「皆さん、しんみりしている場合じゃないですよ! 最後の最後はみんなでとびっきりの笑顔で、たくさん大声で楽しみましょう!」と叫び、メンバー全員で井上がセンターを務める「確信的クロワッサン」をパフォーマンス。
盛大な「いのりコール」を背に、彼女は「7年間、本当にありがとうございました。みんなのおかげで、本当に本当に幸せでした!」と告げて、7年間におよぶアイドル人生を締め括った。
トロッコに乗ってアリーナを回遊しつつ、再びステージに戻ると、今度はメンバー1人ひとりから青い花が手渡された。そして、最後に「メンバーのみんなもBuddiesの皆さんもたくさんたくさん、幸せな時間をありがとうございました。私のこの7年間のアイドル人生、100点満点です!」と伝え、約3時間半におよんだ「Buddies感謝祭 2025 EX」および「井上梨名 卒業セレモニー」は閉幕した。
■櫻坂46「Buddies感謝祭 2025 EX」
◇12月17日(水)◇千葉・幕張イベントホール
<セットリスト>
00.Overture
01.Microscope
02.桜月
03.死んだふり
04.木枯らしは泣かない
05.最終の地下鉄に乗って
06.美しきNervous
07.それが愛なのね
08.Unhappy birthday構文
井上梨名卒業セレモニー
EN1.五月雨よ
EN2.ULTRAVIOLET
EN3.イザベルについて
EN4.ずっと 春だったらなあ
EN5.On my way
EN6.確信的クロワッサン

