現地時間12月16日に行なわれたコパ・デル・レイ(国王杯)3回戦で、レアル・ソシエダはエルデンセ(3部リーグ所属)を2-1で下して16強入りを果たしている。
ラ・リーガ第16節ジローナ戦(1-2)で今季8敗目を喫してセルヒオ・フランシスコ監督が解任されてから最初の一戦、Bチームを率いるホン・アンソテギを監督代理に迎えたソシエダは、79分にリュカ・スチッチが先制。しかし、直後に追いつかれて延長戦突入が濃厚かと思われたが、アディショナルタイム6分にパブロ・マリンの決勝ループ弾が決まり、劇的な展開で公式戦では3試合ぶりとなる勝利を飾った。
これまで国王杯では出場のなかった久保建英は、3戦目にして先発出場を果たし、マリンとの交代を命じられるまで85分間、ピッチに立ち続けて、ボールタッチ44回、シュートなし、パス26本(成功20本)、チャンスメイク2回、ドリブル4回(成功1回)、タックル1回、クリア1回、インターセプト1回、ボール奪取2回、デュエル14回(勝利9回)、ファウル1回、被ファウル3回というスタッツを記録している。
スペインのラジオ局『Cadena SER』は、「ソシエダは、ゴンサロ・ゲデスを攻撃の中心に据え、久保を右サイドからスタートさせて相手の5バックの守備を崩しにかかる布陣を採用していた」と報じたが、この日本人アタッカーの働きについて、現地メディアは厳しめな評価を下した。
マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、アンソテギ監督代理の初勝利を祝福する中で、「スコアが同点のまま残り10分となった場面で、カルロス・ソレールと久保を下げるという決断を躊躇わず、マリンとランデル・アスティアサランという2人の若手をピッチに送り込んだ」とその決断を称賛したが、裏を返せば、これは背番号14の出来に彼が満足していなかった証とも言えよう。
『as』紙は、「ソシエダの重要な選手たちは、多くの場面でミスを重ねていた」と伝え、久保については「試合に入れていない状態が続き、クロスはことごとく合わず、1対1の局面でも相手を振り切れなかった」とネガティブに振り返り、3点満点の採点では「1」を付与。また、チームの攻撃の多くが左サイドで展開された点を踏まえ、「ソシエダは久保を忘れていた」と表現し、ライブ実況の時期では彼のプレーを「無力」「精度がない」と酷評している。
バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』も、「ほとんど姿を消していた。前半に一度、サイドで良いプレーを見せ、絶妙なタイミングでマイナスのパスを送った場面はあったが、相手の守備を崩してチームに何かをもたらすのには非常に苦労していた。右足でのクロスに課題を抱えており、現在の彼の特徴のひとつである『マークについた相手の外側へ持ち出すプレー』も十分に活かせなかった」と厳しく評し、彼の85分間を「不発」と総括した。
ソシエダの地元バスク・ギプスコアの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、久保のプレーについて「右足でのクロスは不出来で、全体的に非常に精彩を欠いていた」と綴ったが、一方で「久保が切れ込み、ホン・アランブルと好連係を見せたが、アランブルのクロスを、ザアルセン・ハリャンが信じがたい形で無駄にし、ゴールまで1メートルという至近距離から放った情けないシュートは決まらなかった」と44分のチャンスメイクにも言及している。
そして個別評価では、10点満点の採点を他のほとんどの攻撃選手と同様の「3」とし、寸評も「細かな見せ場は幾つかあったが、彼の立場はチームのスターであり、その期待には程遠い内容だった。より多くの役割を果たさなければならない選手である。ザハリャンの決定機に繋がるプレーを演出し、そこで再び目を覆いたくなるような酷いファウルを受けた。後半は、わずかな細かいプレーがあった程度だった」とネガティブな内容となった。
このように低調なパフォーマンスが続いている久保だが、サッカー専門サイト『FICHAJES.NET』は「自信の喪失は明白だ。本来の水準を大きく下回るプレーを続けており、判断ミスが目立ち、試合への影響力も乏しく、チーム全体との連動性の欠如も看過できないレベルとなっている。スピード、正確性、そして継続性をクラブの重要なアイデンティティーとしているソシエダにおいて、日本人選手の不振は、もはや忍耐や善意だけでは隠しきれない構造的な問題となっている」と報じている。
さらに、「これまで何シーズンにもわたり、彼はアノエタの偉大なアイドルのひとりであり、才能、恐れを知らぬプレー、そしてゴール前で試合を決める力によって試合の流れを変えられる選手だったが、その姿は完全に消え去ったかのようで、代わりに現われたのは、試合ごとにミスと低調なパフォーマンスを重ねる、別人のような選手である」と今シーズンの出来を酷評。彼の市場価値が下落するのを懸念するクラブが、冬の移籍市場で売却に踏み切る可能性も示唆した。
構成●THE DIGEST編集部
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