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睡眠不足による経済損失は15兆円? 攻めの睡眠でパフォーマンスを上げよ!

睡眠不足による経済損失は15兆円? 攻めの睡眠でパフォーマンスを上げよ!

“スリトレ”は自分の苦手科目を知ることから

“攻めの睡眠”を身につけるにあたって、まずしなければならないのは、自分は何が苦手であるかを知ることだ。睡眠に影響を与える自律神経の働きが原因である人が、いくら枕や布団を変えたところで睡眠の質は上がらない。ヒラノ氏は、“睡眠の苦手科目チェックリスト”を用意し、どれが当てはまっているかによって以下の4つのタイプに分類している。

(1)カラダの外側が苦手科目さん

寝室の温度や湿度が適切でなかったり、マットレスや枕が身体に合っていないために睡眠の質が低くなっている人

(2)体内時計が苦手科目さん

食事の時間や光の浴び方などの生活習慣によって、体内時計が実際の時間とずれてしまい、睡眠の質が低くなっている人

(3)自律神経が苦手科目さん

日中の活動モードのときにONになる交感神経と、夜のリラックスモードのときにONになる副交感神経の切り替えが上手くいかず、寝つき・寝起きが悪い、夜中に目が覚めるなどの状態になっている人

(4)深部体温が苦手科目さん

寝る時間が近づくと、通常は下がっていく深部体温(脳や内臓などの身体の内部の温度)が、さまざまな要因できちんと下がらずよく眠れない人

この4つのタイプによって、それぞれ改善するための“スリトレ”(スリープトレーニング)がある(詳しく知りたい方はヒラノ氏の著書を参照)。たとえば“深部体温”は、筋肉量の多いアスリートは下がりにくいケースも多く、夏場の睡眠の質が高齢者並みであることも珍しくないのだそう。また、ナイターやドームでの試合が多く朝日を浴びる機会が少ない野球選手は、体内時計がずれたり、自律神経が乱れたりする傾向もあるという。

「スリトレは睡眠を改善したり、睡眠の質を上げたりすることだけが目的ではありません。まず“自分の苦手科目”を知り、課題を解決して改善する。次に自分に合ったスリトレや睡眠法を実践して、睡眠を“味方につける”。そして、睡眠のメカニズムを応用して試合のパフォーマンスアップに役立てるなど、睡眠を自分の強み、“武器”にして目に見える結果に繋げることがゴールです。アスリートの場合は、睡眠を味方につけることによって現役生活を長くすることもできます。是非多くの方にこのスリトレを実践していただきたいですね」

スポーツでパフォーマンスを上げるためには、まず身体作り。食事や効率的なトレーニングに気を遣いがちだ。しかし、いろいろ試しているのに思い通りの効果があらわれないと、悩んでいる人の最終手段となるのが、この“睡眠”だろう。眠れていると思っていても、実はきちんと眠れていないことも多いのではないだろうか。是非、このスリトレで“攻めの睡眠”を身につけてほしい。

PROFILE ヒラノマリ
東京生まれ、ロサンゼルス育ちの帰国子女。アメリカから帰国した小学校3年生の時に不眠症を経験したことから睡眠に興味を持ち、大塚家具に入社。一般のお客様から、ホテル、保養所、大使館など、個人から法人までのベッドや寝室全体のコンサルティングを経験する。その後、日本で唯一のアスリート専門の睡眠のパーソナルトレーナー「スリープトレーナー」として活動を始める。オリジナルの睡眠メソッド「#スリトレ」をもとに、日本人メジャーリーガーや藤浪晋太郎投手などのプロ野球選手、サッカー元日本代表選手、東京五輪銀メダリストなど、国内外で活躍するトップアスリートの睡眠や寝具選びをサポート。パジャマなどの商品監修や、プロ野球・東京ヤクルトスワローズなどのスポーツチームおよび一般企業への睡眠セミナーなども数多く担当。TVなどのメディアにも多数出演。

text by Reiko Sadaie(Parasapo Lab)
photo by Shutterstock


<参考図書>
『スリトレ すぐに試せるぐっすり睡眠法』
/ヒラノマリ著・虹有社刊

配信元: パラサポWEB

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