これは「不仲」が噂された巨人・阿部慎之助監督への強烈な皮肉なのか。プロ野球2軍、オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブのCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)に就任した巨人・前2軍監督の桑田真澄氏が、会見で放った言葉である。
「指導のスタイルは、僕は現役の頃から変わらず一貫してますので、『サイエンス・バランス・リスペクト』。『こうやれ』っていう指導はしませんし、バランス感覚は持ちながらですね。今、練習したらうまくなるっていう野球界の、なんか、なんなんですかね、あれお守りなんか知らないですけど、あるんですよね」
阿部監督が推し進める「昭和の野球」、すなわち「練習、練習」の強制的な体育会系ノリとも思える定説を一蹴したのである。桑田CBOはさらに言う。
「サイエンスからすると、練習、練習、練習は上手くならないんですよね。練習して栄養を摂って、睡眠、休養ですよね。寝ている時に筋肉が再生し、強くなり、そして練習した技術は脳や神経が覚えていくいうのがわかってる時代なので。翌日も元気で集中して、いい練習をしてもらいたいんですよね。そういった意味で、サイエンス・バランス・リスペクトという言葉を3つ掲げてるんですけど、現場ではそうやって指導していきたいなと思ってます」
今季、巨人2軍監督としてイースタン・リーグ優勝に導いた桑田氏の電撃退団は、なんとも不可解なものだった。新たに2軍監督に就任したのは、今季までDeNAコーチだった石井琢朗氏。こう持論を語っている。
「ひと口に猛練習と言いますけど、いつの時代であっても、そもそもある程度の量を練習するのは当たり前だと、僕は思います」
なお、「デイリースポーツ」公式YouTubeチャンネル「デイリースポーツ【公式】」で、桑田CBOのインタビューの模様の一部が公開されている。
(所ひで/ユーチューブライター)

