
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する11人組アイドルグループ・GANG PARADEが、結成10周年イヤーを記念するメジャー8枚目のシングル「KIMI☆NO☆OKAGE」を12月17日にリリースした。
表題曲は作詞・JxSxK(渡辺淳之介)、作曲・草野華余子という強力タッグ。さらにカップリングには9mm Parabellum Bullet提供曲「ラビバアソビバ!!」や、TVアニメ『デブとラブと過ちと!』(TOKYO MXほか)OPテーマ「Happy Yummy Lucky Yummy」も収録されるなど、アニバーサリーイヤーを彩るにふさわしい豪華な一枚となった。今回はキャン・GP・マイカ、キラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、そしてWEBザテレビジョンで漫画「社不ドルハピラキ日記」を連載中のユイ・ガ・ドクソンの5名に、2025年の振り返りから、本シングルに込めた想い、そして「アイドルとは何か」というテーマまでたっぷりと話を聞いた。
■スーパーの塩焼きそばから凱旋ライブまで!? 十人十色の「2025年個人ニュース」

――今回は10周年記念シングル「KIMI☆NO☆OKAGE」の取材ですが、その前にまずは2025年を振り返っていただこうかなと。ギャンパレとしての出来事でも、個人的なことでもいいので、今年の「重大ニュース」を教えてください。
ユイ・ガ・ドクソン(以下、ドクソン): じゃあ、私から今年の個人ニュースを発表します! 私、今年しばらく節約しなきゃいけない時期がありまして、そこでスーパーに通うようになったんです。今まで食生活がめちゃくちゃで、コンビニやファストフードばかりだったんですけど、スーパーに行ってみたら、焼きそばが200円以内で買えることに気づいて!
キラ・メイ(以下、メイ): あの、試食で作ってくれてるようなやつ?
ドクソン:そうそう! コンビニだともっと高いじゃないですか。「安いし節約になる」と思って食べ始めたら、その塩焼きそばにドハマりしちゃって。結果、太っちゃいました(笑)。
――本当に個人ニュースですね(笑)。

キャ・ノン:じゃあ、もう少しちゃんとギャンパレの話もしつつ(笑)。私はグループとしてアルバム『GANG RISE』を作れたことが大きかったです。たくさんの方に楽曲提供していただいて、それを引っ提げてライブができて、この1年間でギャンパレのライブを確立できたなと思っています。個人的には、ラジオや連載の中で「セルフライブレポート」を書き始めたことですね。演者目線で、記憶が新鮮なうちにライブの様子や楽屋での会話を書き残しています。
――出演者が自身の言葉でライブレポートを発信するのは新しいですしファンにとっても嬉しいですね。
キャ・ノン:記憶だけで書くので、ライブ中に疲れて記憶が薄れてくると「何だっけ?」ってなるんですけど(笑)。でもステージから見える景色は自分にしか書けないのでがんばってます。
ドクソン:「3000人もの手が上がっており……」とか書き放題じゃん。
キャ・ノン:嘘は書いてないよ!(笑) でも「入りきらなかった観客が外にも……」とか盛っちゃうかも?
――(笑)。メイさんはどうですか?
メイ:私は今年、初めて地元・岐阜でライブができたことがすごく嬉しかったです! 加入して6年目、「いつかやりたい」と思い続けていた夢が叶いました。ツアースケジュールに「FC岐阜」って書いてあって、最初はサッカーのイベントかと思ったんですけど、ちゃんとFC(ファンクラブ)イベントのライブで(笑)。遊び人からも「岐阜初めて来たよ」って言ってもらえたり、家族も見に来てくれて嬉しかったです。
チャンベイビー(以下、ベビ):楽屋の前でメイちゃんの家族に会えたよね!
ドクソン:みんな可愛かった。みんなメイみたいだった(笑)。
――いい親孝行になりましたね。マイカさんのニュースは?
キャン・GP・マイカ(以下、マイカ): 私は今年、一番「振り付け制作」に関わった年でした。新曲も多かったですし、バンドセットでのライブアレンジなどで制作チームに入らせてもらって。メンバーからの意見も取り入れながら作れたのが大きかったです。
――ギャンパレはメンバー多いですし、「この振り付け、もっとこうしたい」みたいな意見がぶつかるようなことはないんですか?
マイカ:振り入れの時に自由なメンバーもいるので、それを見て「あ、こっちの方がいいかも」ってアイデアをもらったりしますね。
ドクソン:基本的に「最高を生み出すキャン・GP・マイカ」なんでみんな信頼してますね。
マイカ:はい。「最高を生み出すキャン・GP・マイカ」なんで(笑)。でも最近の私の振り付けはフォーメーション移動がすごいので、そこで遊び人(ファン)を驚かせたいですね。
――ベビちゃんは?
ベビ:私は個人の活動の幅が広がった1年でした。アパレルやコスメブランドのモデルをさせていただいたり、YouTubeを始めたり。特に韓国コスメのモデルは、かつて韓国で練習生をしていた自分にとって感慨深かったです。YouTubeの編集はまだ慣れなくて、1本上げるのに丸1日かかっちゃいますけど……。
ドク:「あ~編集やらなきゃ~!」って、YouTuberみたいなことを最近よく言ってますね。
ドクソン:あ、ハイハイ!編集長! もう一個真面目なギャンパレトピックあります!今年はやっぱりバンドセットでの生演奏ライブができたことは大きかったですね。ギャンパレの楽曲は生バンドとの相性がすごくいいので、また「GANG BOYZ卍」(※バックバンド)の皆さんと音を鳴らせたのは最高の思い出です。
■ストレートな愛を伝えるメジャー8thシングル表題曲「KIMI☆NO☆OKAGE」、メンバーの解釈は?
――では、いよいよニューシングル「KIMI☆NO☆OKAGE」について。タイトルからして直球ですが、みなさんこの楽曲から何を受け取りましたか?
メイ:最初は私たちから遊び人への感謝の曲だと思ったんですが、メンバーと話す中で「遊び人からGANG PARADEへ向けた曲」という解釈もあるという話も出ました。受け取り手によって色々な聴き方ができる曲だなと思いました。
――JxSxK(渡辺淳之介)さん作詞ですね。詞がかわいい楽曲でもあります。
キャ・ノン:そうなんです。「ちょっと嘘」とか「ミジンコくらいの」とか、可愛らしいワードが多いのが特徴で。再始動時の「PARADE GOES ON」を思い出しました。私はすごくストレートに「好きだ」と愛を伝える渡辺さんの歌詞が好きで。少しずつ過去形になっていて、思い出を噛み締めつつ「ずっとそばにいて」と願う切なさもあって……これまでの歴史と、この先の未来、両方を歌える大切な曲になりました。
――レコーディングでのこだわりやディレクションはありましたか?
ドクソン:歌い方に関してはあえてすり合わせず、【各々のバイブスをぶちかます】スタイルでした。でも、作曲の草野華余子さんがディレクションしてくださったので、そこで全員の想いがそろった感覚があります。
マイカ:草野さんとご一緒させていただくのももう3回(3曲)めなので、私たちのことをすごく理解してくださっていて。「この子は最近こうだから、こう伝えたら伸び伸び歌える」というのをすごく考えてくれていました。愛がある方です。
■9mm提供曲は「宇宙人語」!? カップリング曲の制作秘話
――カップリングの「ラビバアソビバ!!」は、9mm Parabellum Bulletさん提供曲ですね。曲名のインパクトがすごいです。
ベビ:最初、タイトルと歌詞を見た時に「われわれ」とか書いてあるので、これ宇宙人語かな?って思いました(笑)。曲名も呪文みたいでワクワクしました。
ドクソン:「ラ」と「ビバ!」と「アソビバ」ですね!
――9mmさんとはツーマンライブも行っていますが、その縁で実現したのでしょうか。
ドクソン: そうなんです。ツーマンをご一緒した際に曲をお願いしていて、実際に私たちのライブを見てインスピレーションを得てから作ってくださいました。私たちのライブを見て作ることを決めてくれたので本当に嬉しかったですね。
――いつものギャンパレの“勝ちパターン”ですね。
マイカ:ツーマンライブをして曲を書いてもらうという(笑)。でももしライブを見て「やっぱり違うな」って思われたらどうしようってドキドキしていたので、こんなにかっこいい曲をいただけて本当に嬉しかったです。
――「アソビバ」という言葉が入っているのも印象的です。
ベビ:「遊び場」というワードが私たちのファンクラブ名でもありキャッチコピーでありながら、意外と曲名に使われていないことまで調べて入れてくださって……本当に愛を感じました。
メイ:「ラビバアソビバ」って絶対言いたくなるよね。ライブで遊び人の反応はどうなるかな?部分的に声出すか、「ラビバ! アソビバ!」全部言うか。
マイカ:メンバー内では「全部声出してほしい!」って話しています。イントロのギターからすごくカッコいいので、ライブで盛り上がりそうです。
■ユメノユア作詞の「Happy Yummy Lucky Yummy」
――もう一曲、「Happy Yummy Lucky Yummy」についても聞かせてください。TVアニメ『デブとラブと過ちと!』のOPテーマで、作詞はユメノユア(以下ユア)さんです
。
キャ・ノン:私たちの代表曲「Happy Lucky Kirakira Lucky」を作詞したユアちゃんに、10周年イヤーの開幕を飾るこの曲もお願いしました。アニメのタイアップということもあり、明るく駆け抜けていくスタートにぴったりな曲です。
――タイトルもリンクしてるようなワードですし「Happy Lucky Kirakira Lucky」のセルフアンサーソング的でもあります。
ドク:名言はしていないですが、そう受け取ってもらってもいいんじゃないかなと思います。
――ユアさんらしさを感じたエピソードはありますか?
ベビ:『デブとラブと過ちと!』の主人公「夢子(ゆめこ)」ちゃんの名前が歌詞の中に隠れていたり、物語の世界観がすごく反映されています。あと、「愛してよもっと」とか「独占欲は強い」とか、ユアさんの内面も見られるような……。
ドクソン: 確かに! アイドルとして「私だけを推してよ」っていう、単推ししか許さないようなユアの“重めの愛”を感じて、すごく納得しました(笑)。
マイカ:表立っては言わないけれど、思っているというね。
■「君のおかげ」でここまで来れた。それぞれの感謝エピソード

――タイトルにちなんで、この10周年、「君のおかげ」エピソードを教えてください。

ドクソン:はいはい! 私は「ファンからのお手紙のおかげ」です。漫画(※WEBザテレビジョン連載中「社不ドルハピラキ日記」)の連載がいつも締切ギリギリでご迷惑をおかけしてるんですけど、どうしても仕上げないといけないタイミングでファンレター読んで、徹夜を頑張れました!
ベビ:それは…もっと早くに手紙読んで頑張りなよ!(笑)
マイカ:私は「配信を見てくれるみんなのおかげ」かな。制作に行き詰まった時ほどインスタライブをして、コメントを読んで…ということをよくしていました。多分まったく違うコトをすることで脳がリフレッシュされていたんだと思います。「待っている人がいるから頑張ろう」という自分への追い込みにもなっています。
ベビ:私も「遊び人」かな。東京マラソンをこれまで2回走ったんですけど、私は走ること自体は全くしんどくないんです。それよりも走っている間「暇」なのがつらくて(笑)。でも、沿道に遊び人(ファン)が応援に来てくれて、団扇とかで応援してくれたのがすごく嬉しかったです。私がヒマにならないように応援してくれて…「あ、また知ってる人がいる!」って。
メイ:私も「遊び人のおかげ」です。アイドルをやる前は自分のことが全然好きじゃなかったし、良いところも分からなかったんです。でもギャンパレに入って、遊び人のみんなが「メイちゃんのここが良いよ」「声が好き」「手足が長くて素敵」とかって言葉にして伝えてくれて。自分ではコンプレックスだと思っていた部分も「あ、これは私の武器なんだ」って思えるようになりました。
キャ・ノン:私は今年の夏に横浜赤レンガ倉庫でワンマンライブができたことですね。私が初めてギャンパレを見たのが2017年の赤レンガでのライブだったんです。時を経て、自分がメンバーとしてそのステージに立てたこと。それはここまで続けてきてくれた「メンバーのおかげ」だし、ずっと好きでいてくれる「遊び人のおかげ」です。全ての人のおかげ、感謝です。
――やっぱりみなさんそろって「遊び人のおかげ」なんですね!
ドクソン:感謝、感謝。
■「アイドル」って何? ギャンパレが辿り着いた境地

――GANG PARADEを見ていると、時々「アイドルって何だろう?」と思うことがあります。サウンド的にはごりごりのロックだったり、イベントで「かくれんぼ」やったり(笑)。いま、アイドル業界って空前の「可愛い」ブーム。みなさんは違うものを見て目指しているような気がします。
ベビ:え、難しい…でも、「アイドルとはこうである」という凝り固まった考えがみんな無いのかもですね。
ドク:自分たちでアイドルだと言い張っているから?(笑)
マイカ:本人たちもそんなに「アイドルだー!」って思ってないというか、「あるもの」みたいな感覚で。
ドク:アイドルゆえの可能性の広さ、可能性の広さ故のアイドルというのはみんな理解していますね。そうですね。あと、「かわいい」ってのは……ちょっと……その、無理なことは分かってる。
全員:(笑)
――もちろんギャンパレちゃんもかわいいと思いますよ!?
キャ・ノン:アイドルだとかそうじゃないとか、そういうカテゴライズに自分たちを置かなくていいと思っているのかも。「GANG PARADEであること」にプライドを持っているから。
ドクソン:そうそう。自分たちがギャンパレであることにプライドを持ってる。
ベビ:まあ…「くくるならばアイドル」でしかないという感じかな?
ドクソン:「アイドルじゃない」って言われても「あ、そっか」だし、「アイドルだね!」って言われても嬉しいし。どっちもありかな。
メイ:アイドルらしく「推してほしい」というよりも、「GANG PARADEのことを好きになってほしい」という気持ちが一番ですね。
■2026年は「遊び人とみんなと一緒にGANG PARADEを愛し尽くす1年」に

――初回盤には8月のバンドセットワンマンライブの映像も収録されていますね。
ドクソン:この日のライブだけのアレンジになっている曲があって、それがめちゃくちゃ好きなんです。普段の音源とは違う部分に注目して楽しんでほしいです。
マイカ: 私はアイドルオタクなのでメイキングを見るのが大好きなんですが、今回もメイキングが入っているのでそこも楽しんでほしいです。10周年の気合いが伝わるかっこいいライブになっているので、ぜひゲットしてください!
――最後に改めてメジャー8thシングル「KIMI☆NO☆OKAGE」について、読者へメッセージをお願いします。
マイカ:今回のシングルは10周年イヤーにぴったりの、さらに幅の広がった一枚になりました。まだまだ10周年イヤーを盛り上げていきたいので、とにかくライブに来てほしいです! ライブで一緒に最高の遊び場を作っていきましょう。
ドクソン:2026年の目標は「遊び人とみんなと一緒にGANG PARADEを愛し尽くす1年」です。今までで一番、「史上最高の遊び場へ君を連れて行く」のさ!

