現地時間12月17日、2026年2月15日にロサンゼルス・クリッパーズのホームアリーナ、インテュイット・ドームで開催される『NBAオールスターゲーム2026』の投票がスタートした。
オールスターに出場する24名は、例年同様にイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスから各12名が選出。各カンファレンスのスターター枠に入る計10名は、ファン投票(50%)、現役の選手間投票(25%)、メディアパネル(25%)のウェイトスコアで決まる。リザーブ枠として選出される計14名は、各チームのヘッドコーチたちの投票で選出される。
今回のオールスターはポジションレスの投票になるほか、アメリカ出身選手で構成される2チームと、外国籍選手で構成されるワールドチームの計3チームによる総当たり方式の新フォーマットとなる。
そのため、2026年のオールスターゲームでは3度のMVP受賞を誇るニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/セルビア出身)、昨季のMVPシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー/カナダ出身)、2度のMVPに選ばれた実績を持つヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/ギリシャ出身)が同じチームに入る超豪華な布陣が生まれる可能性が高い。
その一方で、NBAはオールスターゲームに関して試行錯誤を続けており、これで3年連続のフォーマット変更になった。
2023年はファン投票で各カンファレンスのトップに立った選手がキャプテンを務め、交互にドラフト指名してロスターを選定。24年は従来のイースト対ウエストだったものの、25年はレジェンドたちがドラフト指名して24名を3チームに分け、ライジングスターズ(若手選抜)の優勝チームと合わせた4チームで開催された。
オールスターブレイク後は、ポストシーズンに向けた順位争いが激化するため、どのチームも主力選手のケガによる戦線離脱だけは避けたい。しかし、球宴ではフィジカルなぶつかり合いがなく、緩い試合内容にうんざりしているファンが一定数いるのも事実だ。
そうしたなか、ポッドキャスト番組『Unguarded』の最新エピソードで、ヒューストン・ロケッツのケビン・デュラントがゲスト出演。チームメイトで番組ホストを務めるフレッド・ヴァンブリートへ持論を展開した。 オールスターに15回選出され、2度のMVPに輝いた経験を持つデュラントは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)をフォローしつつ、ディープスリーの使い手で知られるステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)が“元凶”だと語った。
「どのオールスターゲームでも、ブロンは集中してやっていた。ハーフコートからシュートしたりはしない…。あれはステフのせいだ。ハーフコートからシュートを打っていたんだぞ。オールスターゲームに関しては彼のせいだね。あとはデイムもね」
カリーは2025年、リラードは24年にオールスターMVPを受賞。ハイスコアリングゲームを先導し高得点を稼いだとはいえ、ディープスリーを通り越してハーフコートであろうと軽々とショットを放ち、持ち前のシュート力を駆使して決めていた。
オールスターゲームは普段対戦するライバル選手たちが同じチームに入り、レギュラーシーズンでは見られないような連携や華麗なダンクにボールハンドリング、巧みなアシストなどを繰り出す年に一度の祭典だ。
その一方、一発勝負のNBAカップやプレーオフのような真剣勝負とはほど遠く、ほとんどディフェンスのない状況で3ポイントやダンクが繰り返され、退屈だという声も後を絶たない。
もちろん、オールスターの舞台でディープスリーを打ってはいけないなどという決まりはなく、より多くの点を取ったチームが勝利するのだから、3点を優先してもおかしくはない。ただ、37歳のベテランのデュラントから見ても、ハーフコートショットは気に入らないようだ。
はたして、今回のオールスターゲームでその傾向に変化はあるのか。デュラントの発言は、近年囁かれているネガティブな試合内容に一石を投じることになるのか注目したい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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