●ユーザーや販売現場の声を聞く
全国の家電量販店やECショップからPOSデータを収集・集計するBCNランキングのセキュリティソフト部門で、24年に続いて25年も販売本数でのメーカーシェア1位を獲得すると目されるのが、ノートンライフロックだ。
高いメーカーシェアは、それだけ多くのユーザーに選ばれているということ。そのために取り組んでいる活動について同社に聞くと、2つの注力ポイントが挙げられた。
1つめは、市場の動向をしっかりと把握すること。「市場の変化や、セキュリティ対策においてユーザーが何を重視しているのか、などについて当社製品のユーザーや販売パートナー企業の声も聞いて把握するようにしています」
2つめは、同社製品の販売を担うパートナー企業と良好な関係性を築くこと。「販売状況や要望などをしっかりと受け止め、双方にとって利益につながる形を考えて、長期的にともに成長していけるような関係性を築き上げることに注力しています」という。
●端末を問わず4種類のOSに対応するノートン 360
ユーザーや販売パートナーの声を聞くことは非常に重要だ。しかし、肝心なのは、やはり製品だ。製品の特長や機能にベネフィットがなければ、ユーザーや販売パートナーの支持は広がらない。
ノートンライフロックの主力製品が、「ノートン 360」だ。ノートン 360はパソコンやスマートフォン、タブレットなど端末の種類を問わず、WindowsやmacOS、Android、iOSに対応している。
同社では「メールやインターネットでのウイルス対策やフィッシング詐欺のブロックに加えて、通信を暗号化するVPN機能も含まれています。端末にインストールしておくだけで、特別な操作をしなくてもインターネットを介したさまざまな被害を未然に防ぐことができます」とノートン 360の導入メリットを説明する。
同製品はインストール後の有効期間とインストールできる端末の台数によって、いくつかの異なるタイプがある。1台の端末にインストールできるスタンダード1台版や3台版のデラックス、5台・10台版のプレミアムがあり、デラックスとプレミアムはそれぞれ1年と3年の2タイプが選択可能だ。
現在、ノートン アンチウイルス プラスやノートン 360プレミアム+ノートン アンチトラック、ノートン 360 プレミアム、ノートン ID アドバイザー、ノートン アンチトラックといった製品がある。
また、ノートン 360のデラックスとプレミアムには、ダークウェブモニタリングを搭載している。これはあらかじめ登録したメールアドレスやIDなどの個人情報が、匿名性の高いインターネット領域であるダークウェブに流出した場合、これを検知してユーザーに知らせる機能。ユーザーはパスワードの変更などでさらなる個人情報の流出を防ぐことができる。
さらにノートン 360には、新たに「ノートン Genie AIアシスタント」が搭載。ユーザーが詐欺の疑いを感じた際に、スクリーンショットやメッセージ本文を投稿すると助言を受けられるようになった。このほか、SNS上の英語動画を再生中に、AIが音声を分析しディープフェイク詐欺を検出する機能も利用できるという。
複数のタイプがあると、どれを選んでよいか迷うこともあるが、「初めてセキュリティソフトを使う人やなるべく費用を抑えたいという人には1年版がお勧め。ただし、ある程度の長期使用を考えているなら1年あたりの費用が安く抑えられ、1年ごとの更新の手続きも不要な3年版が最適です」と同社では話す。
だが、最も大事な選択のポイントは所有している端末の台数という。「家族がいたり、単身でも複数の端末を所有したりしている場合などは、セキュリティ対策をしたい端末の台数に合ったタイプを選ぶのが重要です」

