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スタープログラマーを産み出したエニックスの傑作『ドア・ドア』誕生秘話 <このゲーム、探してます!>

スタープログラマーを産み出したエニックスの傑作『ドア・ドア』誕生秘話 <このゲーム、探してます!>

 みなさま、はじめまして。NPO法人ゲーム保存協会と申します。

 ゲーム保存? 謎の団体? いえいえ、そんなことはありません。れっきとした日本が世界に誇る文化である「ゲーム」を未来に残すため、ゲームに関係する歴史的資料を保護し、保存技術の開発や啓蒙などを行っている民間団体です。ゲームが大好きなボランティアで構成されています。

 当協会は日本のあらゆるゲームを平等に保護するために、多岐にわたる資料を収集しています。このコラム記事ではゲーム保存協会が探している、未入手のバージョンを含めたゲームを紹介しつつ、そのゲームの生まれた背景や歴史などを紹介していきます。

ライター:ゲーム保存協会

2011年設立。日本が世界に誇るゲーム文化を100年先の未来に残すため、関係する歴史的資料の保護・保存技術の開発や啓蒙、他団体との連携・支援などに取り組む完全非営利の民間団体。本部は東京世田谷の等々力にある。

公式サイト:https://www.gamepres.org/

X:@gamepres

スタープログラマーを産み出したエニックスの傑作『ドア・ドア』

 ゲーム保存協会が探しているゲームは多数ありますが、 今回はその内のひとつ「エニックス」(現在のスクウェア・エニックス)の黎明期のゲーム『ドア・ドア』を取り上げてみたいと思います。

 エニックスは1982年に設立されました。当初は自社でゲームの開発部隊を持たず、プログラムコンテストを行って優秀なゲーム開発者を発掘し、ゲームを製品化して市場に投入するという手法を取りました。

 会社設立後まもなく、各パソコン雑誌に広告を打って「第一回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」を開催。最優秀プログラム賞(賞金100万円)をはじめとする賞を設けて、全国のアマチュア開発者の参加を促しました。そして、このコンテストに応募した多数のゲーム作品から各賞が選ばれ、開発者とともに新聞やパソコン雑誌で発表されて、翌1983年から製品化されていきます。

 この第一回コンテストの最優秀プログラム賞は『森田のバトルフィールド』というウォーシミュレーションゲームでした。また、優秀プログラム賞として『ドア・ドア』『マリちゃん危機一髪』の2本のゲームが選ばれました。このうち『ドア・ドア』を作ったのが、後にチュンソフトを設立して、堀井雄二氏と一緒に『ドラゴンクエスト』の制作に関わることになる中村光一氏です。実は堀井氏もこの第一回コンテストに自作のゲームを応募し、入選をはたしているのは有名なエピソードです。

 中村氏は高校時代にNECのパソコン「PC-8001」を購入(当時の希望小売価格 が16万8000円!)。アーケードゲームを移植して雑誌に投稿しています。その後、上位機種の「PC-8801」を購入して、オリジナルの『ドア・ドア』を制作し、前述の第一回コンテストに応募、優秀プログラム賞を勝ち取りました。

 この後、『ドア・ドア』も製品化されたことで、中村氏はプロのゲームクリエイターへの道を歩み始めました。その後、『ニュートロン』というゲームを開発し、友人らとゲーム会社を作ります。そう「チュンソフト」です。そして、堀井氏らと共にファミリーコンピュータ版 『ポートピア連続殺人事件』や『ドラゴンクエスト』を開発していくことになります。

 では、中村光一氏のプロデビューのきっかけとなった『ドア・ドア』はどんなゲームだったのでしょうか?

 ジャンルとしては、ステージクリア型の固定画面アクションゲーム。プレイヤーは「チュン君」という帽子をかぶったかわいい1等身(?)キャラを操作します。画面はビルを横から見たような感じで、6階までのフロアが梯子で繋がれ、ドアが点在しています。チュン君のできることは移動とジャンプすること、それと「ドアの開け閉め」です。フロアをうろつく敵キャラ(こちらもかわいい)をドアに閉じ込めてステージクリアを目指していきます。

 その後、敵キャラの追加や画面構成の変更・キャラクター大型化などグレードアップを図った『ドアドア mkII』を発表、1985年に発売されたファミリーコンピュータ版の『ドア・ドア』は、この『ドアドア mkII』をベースに作られています。

 『ドア・ドア』は、当時の色々なメーカーが出していたパーソナルコンピューター向けにリリースされており、細かく分けると色々なバージョンが存在します。当時のパソコンは「互換性」というものがあまり考えられていなかった為、それぞれ専用のパッケージを用意しないとなりませんでした。NECは勿論のこと、シャープ(MZシリーズ・X1シリーズ)、富士通(FMシリーズ)などなど。 ここでゲーム保存協会が把握している『ドア・ドア』『ドアドア mkII』を一覧にしてみます。

『ドア・ドア』パッケージ一覧

機種、メディア、番号、備考

PC-8801、カセットテープ、102-13-10、

〃、カセットテープ、E-G002、新型番

〃、カセットテープ、E-G002、新型番・PC-8801mkII対応

MZ-2000、カセットテープ、E-G014、

PC-8801、FD 5.25インチ 2D、E-G016、

FM-7、カセットテープ、E-G019、

PC-9801/E/F、FD 5.25インチ 2DD、E-G060、2D対応

X1、カセットテープ、E-G070、

PC-8001mkII、カセットテープ、E-G076、

MB-S1、カセットテープ、E-G101、

MB-S1、FD 5.25インチ 2HD、E-G102、

PASOPIA 7、カセットテープ、T-1E01、

FM-77、FD 3.5インチ 2D、E-G073、

『ドアドア mkII』パッケージ一覧

機種、メディア、番号、備考

PC-6001、カセットテープ、E-G068、

PC-6001、カセットテープ、E-G068、A面:mkII以降版B面:PC-6001(32K)

PC-6001、カセットテープ、E-G068、PC-6601SR対応

MZ-1500、クイックディスク、E-G112、

FM-7、カセットテープ、E-G138、

PC-8801、FD 5.25インチ 2D、E-G139、

FM-77、FD 3.5インチ 2D、E-G140、

MSX、ROMカートリッジ、E-M004、

 『ドア・ドア』『ドアドア mkII』、この2つのゲームだけで、これだけのパッケージが存在すると考えられています。ゲーム保存協会では、この中で特に探している『ドア・ドア』『ドアドア mkII』のパッケージがあります。

配信元: ねとらぼ

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