9月26日から開幕するMotoGP日本GPで、ワイルドカード参戦する中上貴晶(ホンダ)が、開発ライダーとして乗ることになるバイクについて語った。
中上は2024年シーズンを最後にMotoGPのフル参戦を終了。ホンダのMotoGP開発ライダーに就任。今シーズンはホンダ陣営のライダーに怪我人が出たこともあり、ワイルドカード参戦だけではなく代役参戦もこなしてきた。
そして中上は母国の日本GPでもワイルドカード参戦する。日本のファンの前に1年振りのカムバックを果たすが、前回とは当然立場が違ってくる。開発ライダーとしてバイクのデータを取り、開発に活かして行くことが求められるわけだ。中上によると、今回のバイクの仕様はまだ全て固まっているわけではないものの、今季終盤戦だけではなく、来年2026年シーズンに向けた要素も入ってくるという。
「ミーティングはしていますが、まだ(バイクの仕様やプランは)決まっていません。バイクは2台あるんですが、すべてが決まっているわけじゃないんですよね」
開幕直前の25日の時点で、中上はそう語った。
「(ワイルドカードで使うマシンに)2026年の要素も盛り込まれていますが、エンジンから車体、どこからどこまでがそうなのかは、自分もまだ分かっていません。今夜あたりには決まると思いますが……」
「正直に言うと、(もてぎでは)周回を重ねていますが、毎回かなりバイクは違ったモノになっていますし、何らかの理由で違っているんです。タイヤも制限されていて、ソフトタイヤのアタックやレースペースがどうなるかも、100%自信があるわけではないですね」
「エンジンに関しては一番新しいモノではないと聞いています。エアロについては、開発の先行含め、多分どこかで(新しいパーツを)入れることになると思います」
「よく知っているコースなので不安はありませんが、慣れる時間になって来ると思うので、あまり無駄なことはせずに落ち着いてやっていきたいですね」
なお中上のワイルドカードによって、今年の日本GPでは今季から最高峰クラスに昇格した小椋藍(トラックハウス)と合わせて、2名の日本人ライダーがグリッドに並ぶこととなった。
中上は以前のワイルドカードや代役参戦で小椋とグリッドを共にした経験はあるものの、日本GPでふたりの日本人ライダーがグリッドに並ぶことは素直に嬉しく感じられているという。
「嬉しいですよ、素直に。自分はずっと(日本人ライダーとしては)ひとりでしたからね」
「僕もワイルドカード参戦で自分自身の役割があるので、まずはその仕事をしっかりと果たすことがメインになってきます。そのうえで藍といっしょに日本人として走れる嬉しさがありますね」

