
トロン(@shinkimap)さん制作による「ターンOガンダム」/写真提供:トロンさん
【画像】え…っ!「優雅すぎる」「美しい」こちらが“ディアナ様専用機”の圧巻ビジュアルです(8枚)
歴代ガンダム要素で“黒歴史”も表現?
トロン(@shinkimap)さんによる創作ガンプラ「ターンOガンダム」がSNSで話題を集めました。『∀ガンダム』に登場する月の女王「ディアナ・ソレル」をイメージしたこの機体は、「MG ∀ガンダム」をベースに女性的なシルエットへと生まれ変わらせた意欲作です。市女笠を模したドーム状のパーツや、ツインテール状のケーブルなど、かぐや姫をモチーフとした優雅なデザインが特徴となっています。
ベースとなった「∀ガンダム」は、白を基調としたボディに青と赤のカラーリングが施され、特徴的な「ヒゲ」アンテナを備えた独特のフォルムを持つ機体です。トロンさんはこの機体に大胆な改造を施し、脚部を上下逆さまに使用することで女性らしいシルエットを実現。歴代ガンダムのパーツを巧みにミキシングし、腰のくびれや着物の袖を表現しました。頭部は「ヒゲ」の代わりにケーブルのツインテールを装着し、透明のヒラヒラで市女笠の垂れ衣やディアナ様のロングヘアを表現しています。
SNSでは「日本美を感じる作品」「女性的なシルエットの表現がとても自然ですばらしい」「この発想力はスゴイ」などそのアイデアと技術力に感嘆する声が多数寄せられました。
今回、制作者のトロンさんに、この作品について詳しくお話を伺いました。
――「ターンOガンダム」を制作された理由やきっかけを教えてください。
『∀ガンダム』という作品そのものが、日本の古典文学――竹取物語やとりかへばや物語をSFとして再構築した、非常に特異な作品だと感じていました。
なかでもディアナ・ソレルという存在は、「可憐さ」と「恐ろしさ」「神話性」が同居する象徴的なキャラクターです。
何年もディアナ様をテーマに構想を温めてきたなかで、「もし彼女自身を象徴するモビルスーツがあるとしたら?」という問いが、この制作の出発点でした。
ターンOという名前には、「0(ゼロ)=あらゆるモビルスーツの始祖」「繭や月を思わせる形」「市女笠のシルエット」「0G=宇宙専用機」といった意味を重ねています。
アニメ本編の前日譚――「エピソード・ゼロ」として、月の遺跡でロランが遭遇する「始祖にして究極の機体」を形にしたい、という思いが制作の原動力でした。
――とくにこだわった点や苦労した点は?
大好きなシド・ミード氏への敬意は大きなテーマでした。彼が初代ガンダムの頭部を「逆さま」にして∀ガンダムをデザインしたように、僕も何かを逆さにしてなお美しいラインを成立させたいと思いました。
そして最大のこだわりは、機体を「ディアナ様を思わせる女性的なシルエット」に落とし込むことです。MG ∀ガンダムをベースに脚部を上下逆さに使用し、初代ガンダムのふくらはぎを足首に。逆さにした初代ガンダムの胴体で腰のくびれを表現。Ξ(クスィー)ガンダムの肩パーツで着物の袖をイメージするなど、歴代ガンダムのパーツを使い大胆なミキシングを行いました。
また、かぐや姫がモチーフなので、市女笠をエポキシパテでお皿を型にして作成しました。
――ご反響をどのように受け止めていますか?
完成された∀ガンダムのデザインを壊してもいるので、肯定的な反応をたくさん頂けたのは正直、とても驚いていますし、ありがたい気持ちでいっぱいです。
「女性的なシルエットにちゃんと見える」「作品の世界観に合っている」という主旨の反応をいただけたのは、1000年生きる女王としてのディアナ様のイメージを作品に込められたかなと感じています。また、RX-78、ν(ニュー)、Ξ、ユニコーンなど、黒歴史を通して蓄積されたガンダムの要素に気づいてくださる方がいたのも嬉しかったですね。
そのモビルスーツの背景、物語にこだわって制作しているので、それがはっきりしない間は作業がなかなか進みませんが、逆にストーリーが見えてくると、とてもスムーズに細部が決まります。
うまく噛み合った瞬間の高揚感は格別で、その熱量が反響として返ってきたように思っています。
――今後のご創作の展望について教えてください。
現在は旧MG νガンダムを制作しています。Hi-νガンダムもミキシングしています。
劇場版「新訳Zガンダム(『機動戦士Ζガンダム A New Translation』)」では、カミーユが精神崩壊せずに帰還しました。そこから発想して、その後カミーユとアムロがともに創り上げた別の世界線のνガンダムがあったら、というIFの物語を夢想しています。これからも熱い物語性のあるモビルスーツを形にしていきたいです。
