北九州発のうどんチェーンで、福岡県内をはじめ、九州や関西ではおなじみの「資さんうどん」。昨年12月に関東1号店となる八千代店(千葉県)を出店し、首都圏進出を果たしたが、それから1年経った今、店舗数がなんと13軒(12月19日現在)に増えていることがわかった。
これはほぼ月イチで新店舗をオープンさせていることになり、飲食チェーンの出店攻勢としてはかなりのペースだ。だが業界関係者によると、これは「資さんうどん」が首都圏に進出した時点から予想できたことであり、特に驚くべき状況ではないという。
「外食チェーン大手のすかいらーくHDが2024年秋に買収したからです。同社の谷真会長はメディアの取材に対し、『全国展開』を明言している。もともと九州出張の際に必ず立ち寄っていたほどのファンを公言していますが、経営者としての厳しい目線でも十分に勝算があると判断したようです」(フードジャーナリスト)
ちなみに現在のうどん業界は「丸亀製麺」と「はなまるうどん」の二強状態が長らく続いている。同じ九州発では首都圏にも進出済みの「うどんウエスト」、埼玉発の「山田うどん」が関東で約150店舗を展開しているが、全国チェーンというわけではない。
「その点、『資さんうどん』はすでに複数のブランドを全国展開している、すかいらーくHDの工場、流通網を利用できる。今のペースなら業界2大チェーンに追いつき、三強時代が到来するのは時間の問題でしょう。柔らか系のもちもち麺はコシの強い讃岐うどんとは対極の存在で、実はファンが非常に多い。九州だけでなく、東北や北海道でもこのようなうどんが昔から好まれています。むしろ、これまで二強に追随する存在がいなかったのが不思議なくらい」(前出・フードジャーナリスト)
うどん党にとって、お店の選択肢が増えるのは大歓迎。「資さんうどん」の看板メニュー「ごぼ天うどん」が全国を席巻する日はそう遠くなさそうだ。
(高島昌俊)

