失われた思い出と、最も激しく燃えたベッド
――火事で一番大きく失ったものは?
トミサット 卒業アルバム全部。過去が消えました。もう振り返れないです。
コモダ 衣装と財布と布団。洗ってなくて皮脂がすごかったらしく、僕のベッドだけ天井まで火が抜けたって言われました。
――現場検証は?
トミサット ドラマで見るような刑事が来ましたよ。
ホセ 電話での事前聴取では「(放火を)疑ってるわけじゃないんですけど」と前置きしながらかまをかけてきたり、現場検証の日には3人が別々に公園に連れて行かれて、マンツーマンで事情聴取されたり。
コモダ 「恨みを買っていませんか?」って聞かれて、芸風が毒舌ゆえに「心当たりがありすぎます」って答えました(笑)。
――出火原因は?
トミサット 原因不明。ベランダの洗濯物から火が出たことだけは分かったけど。
ホセ その日、風が強く乾燥していて東京で4件もの火災があって。消防士と警察からは、放火やタバコを投げ入れられた可能性が高いと言われました。
コモダ ちなみに、火事でバイトを急に休んだんですけど、バイト先のミーティングで「火事とか嘘ついて休むやつがいる」と実名で注意されていたそうです(怒)。
――怪しい人とかいないんですか?
ホセ 僕が越してくる前に、「バーニング炎」ってコンビをやっていたアッチッチ上野さんって方が住んでいまして、できすぎてて嘘みたいですけど。しかも相方がヘルファイヤー神戸っていうんです。
トミサット 火事の後に、グループLINEに「僕じゃないよ」って。誰も疑ってないのに(笑)。
火事のおかげで洋服がグレードアップ!
――火事当日の夜は?
ホセ 近所の後輩のワンルームに3人で転がり込みました。
コモダ 正直、「もう会えないかも」って思った瞬間もあった。だから再会しただけで泣きそうでした。
トミサット 「腹減ったな」って言ったら、3人同時に腹が鳴って(笑)。
ホセ 下北沢の広栄屋っていう昔からあるそば屋に行きました。
コモダ 普段ケチなんですけど「今日はやっちゃおうかな!」って高いセットを頼みました。
ホセ 布団もないし、明日からどうするかも分からない。全部失ったのに、そばをすすってたら笑えてきて。「生きてるってこういうことか」って。
コモダ 実は3人で飯を食うのはほとんど初めてやったんです。皮肉やけど、火事がなかったらこの時間はなかった。
トミサット 結局、沈黙が長く続いて。でも、その瞬間、3人が「また一緒に住もう」って、気持ちがそろったんですよ、鳥肌が立ちました。
コモダ 家やなくて、この2人が大事なんやって気がついた。
ホセ 家が燃えた日の夜に「引っ越してまた住もう」って言った俺ら、めっちゃ芸人だと思います(笑)。
――周りからの支援は?
ホセ 石橋遼大さん(四千頭身)に泊めていただいて、服をいただきました。もらった服は今でも1軍です。
コモダ 芸人を辞めた元同期が、KEBOZ(ケボズ)っていう高級ブランドのリュックをくれました。大谷翔平も使ってるやつです。「火事のおかげで3人ともおしゃれになった」と評判です(笑)。
トミサット おしゃれな人たちが選んだ服しか着られへんから、自然とセンスが良くなったんです。

