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「南極点のルンバ」ペット禁止の南極基地で異常に可愛がられるお掃除ロボ

「南極点のルンバ」ペット禁止の南極基地で異常に可愛がられるお掃除ロボ

南極基地での「ルンバ失踪事件」、そしてスタッフから要求される「身代金」

「アーニー失踪事件」は、スタッフたちの間で瞬く間に広がりました。

南極点望遠鏡チームのX(当時Twitter)には、「最愛のアーニーが行方不明です」という張り紙の画像が投稿されるほどでした。

その投稿の中では、「パートナーのバートは取り乱しており、人々はアーニーを探すためにビラをまいたり、小さな記念碑を用意したりしている」とも述べられています。

そしてこの事件は、(悪ノリするスタッフたちによって)さらなる展開を迎えます。

「クッキーモンスター」と名乗る2人組とアーニーの写真(おもちゃの銃を突きつける写真、アーニーを階段から突き落とそうとする写真)が載せられた張り紙が、基地調理室の外に張られたのです。

そこには、「アーニーが生きている姿をもう一度見たければ、チョコチップクッキーの入ったトレイを指定の場所に置け。そうすれば無事に返してあげよう」という、身代金の要求も書かれていました。

アーニーは基地のどこかで発見されたのでしょう。しかし愉快な誘拐犯の手に渡ってしまったようです。

スタッフたちはこのことで大いに盛り上がり、中には「誘拐犯によって、既にアーニーは命を落としている」と述べて、そのことを悼む替え歌を作る人もいたようです。

とはいえ最終的に、アーニーはチョコチップクッキーと引き換えに返還され、バートと再会することができました。

ロウィッツ氏によると、このような「悪ノリ」は、基地で働くスタッフたちにとって必要なことなのだとか。

南極の基地では、人々が考える以上にやるべきことがたくさんありますが、変化は稀です。

そのため、スタッフたちは努めて自分たちを楽しませる必要があり、アーニーの失踪事件は、彼らを大いに興奮させるユニークなイベントとなったのです。

アーニーを含む「南極点のルンバ」はこれからもスタッフたちに愛されていき、様々なストーリーを紡いでいくことでしょう。

参考文献

Roombas at the End of the World Robotic romance, ransoms, and raccoon suits at the South Pole
https://spectrum.ieee.org/south-pole-roombas

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

海沼 賢: 大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。

配信元: ナゾロジー

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ナゾロジー

ナゾロジーはkusuguru株式会社が運営する科学情報サイトです。読者をワクワクさせ、科学好きな人を増やすことを理念に運営しています。 現在、世界はたくさんの便利なテクノロジーによって支えられています。しかし、その背景にある科学の原理や法則を知る機会はあまりありません。 身近に潜む科学現象からちょっと難しい最先端の研究まで、その原理や面白さを分かりやすく伝えられるようにニュースを発信していきます。

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