デンバー・ナゲッツは、現地時間12月18日(日本時間19日)にホームのボール・アリーナでオーランド・マジックに126-115で勝利し、連勝を6へと伸ばした。
ナゲッツは現在、チーム3位の平均18.8点に5.9リバウンドを残すアーロン・ゴードンがハムストリング負傷で11試合連続欠場、同6位の平均11.4点に4.4リバウンドを記録するクリスチャン・ブラウンも足首を痛めて15試合連続の欠場中。スターター2人を欠きながら、ここまで連敗がなく、19日時点でウエスタン・カンファレンス2位の20勝6敗(勝率76.9%)を誇っている。
オフに獲得したティム・ハーダウェイJr.やヨナス・ヴァランチュナス、キャメロン・ジョンソン、出戻りのブルース・ブラウンらの活躍も好調の一因ではあるが、最大の要因は2大巨頭のパフォーマンスだろう。
マジック戦ではエースガードのジャマール・マレーが7本の3ポイントを沈めてゲームハイの32得点、大黒柱のニコラ・ヨキッチが今季13度目のトリプルダブル(23得点、11リバウンド、13アシスト)と、文句なしの働きで勝利へ導いた。
なかでもヨキッチは、キャリア通算アシスト数が5667本に達したことで、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか/5660本)を抜き、センターとしての歴代最多アシスト記録(NBA全体では50位)を樹立した。
「そういうこと(記録を祝うこと)は引退後にやることだといつも言っているんだ。キャリアを終えて、ベランダでビールでも飲みながら、子どもたちにジョークを話したりして振り返る。それがレガシーだ」
ヨキッチはそう謙遜していたが、211cm・129kgのビッグマンが残した記録は、もっと称賛されるべき偉業と言っていい。
2017年にコーチングスタッフとして入閣し、昨季終盤から指揮官を務めるデイビッド・アデルマンHC(ヘッドコーチ)はこう話す。
「本当に素晴らしいことだと思う。相手がレブロン(ジェームズ)に歴代得点記録を抜かれたカリームだからね。ニコラが誰の記録を抜いたのかを改めて実感するよ。これはデンバー・ナゲッツの選手への祝福であり、NBAの歴史への祝福でもある」
また、長年ヨキッチの相棒として活躍を続けるマレーも、セルビア出身の万能ビッグマンを称えていた。
「これまで彼と一緒にプレーしてきたすべての年月を思い返して、感謝できる瞬間だ。スペシャルなものさ。どんなことであろうと、あのカリームの記録を抜くのは本当にクールなことだ。彼の偉大さとアンセルフィッシュさを物語っていると思う」
キャリア11年目の今季、ヨキッチは昨季に続いて平均トリプルダブル(29.6点、12.3リバウンド、10.9アシスト)が狙えるスタッツを記録するほか、フィールドゴール成功率61.2%、3ポイント成功率42.6%(平均2.1本成功)、フリースロー成功率84.0%と、ショット全般の精度も高い。
また、キャリア通算トリプルダブル数も177回に到達。今季は26試合で13回とハイペースで記録を重ねており、近日中にオスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか/181回)を上回り、歴代2位に浮上するだろう。
2023年以来、球団史上2度目のリーグ制覇を目指すナゲッツは、ヨキッチが健在な限り、覇権争いへ参戦し続けるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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