マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2025年にフェラーリへ移籍してから苦戦続きだったルイス・ハミルトンに対し、同情的なコメントを寄せた。
ハミルトンはメルセデスで6回タイトルを獲得するなど大成功を収めてきたが、2025年にフェラーリへと移籍。F1回で最も歴史あるチームでの挑戦に踏み出した。
しかしハミルトンにとって、2025年はかなり厳しい1年になった。序盤の中国GPスプリントで勝利こそしたものの、チームメイトのシャルル・ルクレールに匹敵するパフォーマンスを発揮できず、1度も表彰台を獲得することができないままシーズンを終えた。
特にシーズン終盤にハミルトンは、扱いの難しいSF-25から最大限のパフォーマンスを引き出せない自分自身に対し、明らかに落胆し、困惑した様子を見せていた。
ハミルトンのキャリアの中で最も厳しいシーズンとなったが、かつて彼と数々の名勝負を繰り広げたフェルスタッペンは、ライバルのこの状況を悲しく思っているという。
「もちろん、彼にとって良いシーズンではなかった」とフェルスタッペンはViaplayに語った。
「無線のやり取りなどからも、それは理解できる」
インタビュアーが「本当につらいことだ」と述べると、フェルスタッペンは次のように答えた。
「正直に言って、僕にとってもつらい。ああいう姿を見るのは好きじゃない。引退するかどうかは分からないが、彼は諦めるような人間ではない。だから必ずそこに居続けるだろう。ただ、見ていて気持ちの良いものじゃないね」
ここで言及された「引退」とは、来季には41歳を迎えるハミルトンが早期に現役を退くのではないかという噂を指している。とはいえ、これに関しては本人が、すでにその噂を否定している。
なおベテランF1ドライバーという側面では、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が現在グリッドで最高齢の44歳ながらも奮闘していて、2025年もチームメイトのランス・ストロールを下していた。
40代を超えてなおF1で戦う、アロンソやハミルトンといったライバルがいるものの、フェルスタッペンは自分がそこまで長くF1にとどまることはないだろうと考えている。
「一番大きいのは……やはり身体的な不調だと思う。いろいろな部分により苦しむようになる。F1マシンは、もともと快適に運転できるものではない」
「そして年齢を重ねると、自然と影響も大きくなる。肩、背中、首とね。すべてを良い状態に保つために、より多くの努力が必要になると思う。そこに、より一層集中しなければならなくなる」
「個人的には、40歳や44歳になったとき、今と同じ自分でいられるとは思えない。モチベーションの面ではそうとは限らないかもだけど、トップクラスのマシンに乗っていなければ、まず無理だろう」
「もしフェルナンドが上位のマシンに乗っていれば……それこそ2023年のように、表彰台を争うことができるだろう。そうなれば、再び闘争心が前面に出てくる。しかし、すでに2度も世界王者になり、多くの勝利を挙げたドライバーが……10位争いをしているとしたら……『自分は何のためにやっているのか』と考えてしまうものだろう」

