ミラノ・コルティナ五輪の日本代表最終選考会を兼ねるフィギュアスケートの全日本選手権が12月20日に行なわれ、男子フリーは北京五輪銀メダルの鍵山優真がフリー183.68点、ショートとの合計287.95点で大会連覇を達成した。この結果、鍵山は2大会連続の五輪代表に決定。男子シングル3枠のうち、1枠目を自力で勝ち取ったがミスの多かった演技に悔し涙を流した。
悔いの残る夢舞台への内定切符だった。ショート首位で折り返した鍵山は冒頭の4回転サルコウを綺麗に着氷。鋭い回転で完璧に降り、GOE(出来栄え点)の速報値は高い加点がついた。続く単独の4回転トウループも降りて勢いに乗るかにみえたが、トリプルアクセルのコンビネーションでアクセルがパンクする痛恨のミス。少なからず動揺した。
そのあとは後半に組み込んだ3つのコンビネーションで4回転トウループが転倒。なんとか気持ちを奮い立たせ、最後のジャンプはコンビネーションにする意地をみせた。
ミスが目立ったがショートの貯金を生かして逃げ切りV。ミラノ五輪行きのチケットを内定したがキスアンドクライで顔をタオルで覆い号泣。しばらく顔を上げられず、隣に座る父親の正和さんに声をかけてもらい、涙をふいた。
2位に食い込んだのは鍵山と同世代の佐藤駿。高難度の4回転ルッツを完璧に降りると、以降もパーフェクト。最後のルッツは着氷が乱れたが、それ以外は文句なし。演技後は万感の表情を浮かべ、全日本初の表彰台で代表入りを確実にした。
ショート2位の三浦がフリーでも好演技。ループ、サルコウ、トウループと4回転を連続で着氷して完全に勢いに乗った。後半はバテたが、それでもクオリティの高い内容で表彰台を確保。20歳の若武者が代表入り有力になった。
フィギュアスケートのミラノ・コルティナ五輪日本代表は21日の全競技終了後、男女シングル、ペア、アイスダンスの全カテゴリーが発表される。
▼全日本フィギュアスケート選手権 男子シングル結果(カッコ内はフリー得点、上位6人まで)
優勝 鍵山優真 287.95点(183.68) ※ミラノ・コルティナ五輪代表決定
2位 佐藤駿 276.75(188.76)
3位 三浦佳生 261.18点(165.53)
4位 中田璃士 248.65点(158.74)
5位 山本草太 238.94点(156.73)
6位 友野一希 229.74点(141.69)
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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