2026年ミラノ・コルティナ五輪の日本代表最終選考会を兼ねるフィギュアスケートの全日本選手権が12月20日に行なわれ、男子フリーは北京五輪銀メダルの鍵山優真が合計287.95点で連覇を達成。2大会連続で五輪代表切符を掴んだ。2位には佐藤駿、3位は三浦佳生が入り、ジュニア時代から切磋琢磨する盟友らが代表入り有力となった。熾烈な代表入りを懸けた日本男子の激闘を米国の名物フィギュア記者が会場で見届けていた。
男子メダリスト会見の記者席に国際的なフィギュアスケート解説者ジャッキー・ウォン(米国)氏の姿があった。同氏はグランプリシリーズをはじめ、冬季五輪やフィギュア世界選手権など多くの国際大会を取材している敏腕記者だ。23年にさいたまで開催した世界選手権も来日している。
連日フィギュア全日本を取材し続けているTHE DIGESTが同氏を直撃取材してみると、快く応じてくれた。ウォン氏は「実際に日本でナショナルを現地取材するのは今回が初めてなんだ。普段は自宅で観戦しているよ」と明かしてくれた。「特に今季は五輪シーズンだ。もともと日本の選手に興味があったから取材できて嬉しいよ」と笑顔を浮かべた。
日本の男子選手、全日本で表彰台に上った3選手の印象について訊いてみると、高い評価が返ってきた。「シーズンを通してユウマ・カギヤマは常に表彰台の有力候補のひとりだね。すべてのスケート選手の中で彼が最もイリア・マリニン(米国)に挑戦できる可能性が高いだろう」と分析。“4回転の神”と称されるマリニンと、現時点で鍵山が勝負できる相手だと主張した。
さらに「シュン・サトウも表彰台に立てることを証明している。そしてカオ・ミウラはクリーンな演技ができれば、彼もまた表彰台に立つ可能性がある。つまり、3人とも五輪本番で大きな可能性を秘める素晴らしい選手だ」と熱弁。今大会で表彰台に立った関東三羽烏に熱い視線を送る。「3人とも280点~300点までを獲得できることが証明されている。特にカギヤマは320点までを出せる力がある。重要なのはクリーンな演技をすることだ」と続けた。
20日のフリーではトリプルアクセルがパンクしてシングルになり、4回転を含んだコンビネーションではトウループで転倒するなど、痛いミスが出た鍵山。優勝が決まると、得点を待つキスアンドクライで悔し涙を流した。ウォン氏が指摘するようにノーミス演技ができるか否かが、ミラノ・コルティナ五輪のメダルの色を左右するかもしれない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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