もう1人の演歌界の雄・五木ひろしの楽曲から選んだのは71年にリリースされたデビュー曲「よこはま・たそがれ」だ。
この楽曲は、体言止めの単語をただゴロリと連ねる山口洋子氏の歌詞。そして16ビートを駆使した平尾昌晃氏の楽曲に大きな衝撃を受けたと剣さんは話す。
「五木さんといえば、演歌の大御所というイメージがありますが、虚心坦懐に耳を傾ければこの曲は演歌じゃない。見事な和製R&Bですよ。五木さんが主催する『五木JAM』で共演した時も『夜空』と『タイガー&ドラゴン』を一緒に歌いましたが、往年のオーティス・レディングのように魂を揺さぶる五木節はソウルフルとしか言いようがありません。昭和歌謡にはブルースやR&Bや16ビートといった洋楽のフレイバーがゴチャゴチャに入り混じっている。これも大きな魅力です」
もしカラオケで歌うのなら、五木ひろしは和製R&Bシンガー。そう思って心して歌い上げるべし。
カラオケ好きがお酒の勢いを借りて歌ってみたいな美メロ曲の定番といえば、Original Love(田島貴男)の「接吻 Kiss」だろう。
「私もカバーアルバム『好きなんだよ』でカバーさせてもらいましたが、正直に言うならカバーしなければよかったと後悔しています(笑)。いろんな人がカバーしているけど田島さんのバージョンが唯一無二。甘さ、色気のある声質じゃなければ歌ってはいけない楽曲なので気をつけてください」
剣さんでもハードルが高いとは‥‥。発売は93年。平成の楽曲ということで、ここはパスするほうが身のためか!?
横山剣(よこやま・けん)ご存知〈俺の話を聞け!〉「タイガー&ドラゴン」でスマッシュヒットを放ったクレイジーケンバンドのフロントマン。今年9月に発売した25枚目アルバム「華麗」を引っ提げ、全国ツアーを敢行中! ライブで行われる「昭和歌謡イイネ!」のコーナーも大好評!

