メルセデスのチーム代表トト・ウルフは、アンドレア・キミ・アントネッリがF1で最高のパフォーマンスレベルに達するには3年から5年かかるかもしれないと語った。
アントネッリは、F4とフォーミュラ・リージョナルでチャンピオンに輝いた経験を持つが、F3をスキップしてF2に1シーズンのみ参戦。ランキング6位となると、今季F1デビューを果たした。
いきなりトップチームの一角であるメルセデスからF1デビューしたアントネッリは、案の定パフォーマンスは不安定。数々のドライビングミスをを犯し、チームメイトのジョージ・ラッセルと比べてパフォーマンスは物足りなかった。
アントネッリは予選でラッセルに24対5とリードされ(ブレーキトラブルが起きたベルギーGPのスプリント予選は除く)、獲得ポイントはラッセルが319ポイントに対し、わずか150ポイントにとどまった。
もちろん、まだ19歳のアントネッリに改善の余地があるのは間違いないし、メルセデスも2026年に2年目の彼が最高の状態になるとは予想していない。
ポッドキャスト『the Beyond The Grid』で、アントネッリがピークに達するまでどれくらいの時間がかかるかと聞かれると、ウルフは2030年まで必要かもしれないと見積もった。
「彼がピークを迎えるのはいつ頃だと予想するか? 3年後か5年後だ」
そうウルフは答えた。
「そして、そのくらいの時間を彼に与える必要がある」
アントネッリがF1についてまだ学ぶ必要があることについて問われると、ウルフはこう明言した。
「彼はこのスポーツについて多くのことを知っていると思う。なぜなら、彼は毎日このスポーツに生き、呼吸しているからだ。しかし、若者として成熟し、この環境のダイナミクスとプレッシャーに対処するには、人間的な要素も必要だ。とはいえ、正しい方向へ進んでいることは間違いない」
ルイス・ハミルトンがフェラーリに移籍していなければ実現しなかったであろうアントネッリの2025年のF1デビューは、2026年以降F1がシャシーとパワーユニットの両方に関して新しい技術レギュレーションに移行するという状況において、彼にとって有意義な経験となった。
メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスは、「我々が知っていること、そしてシミュレータで確認してきたことから、来年(の彼)は今年とは違ったドライビングになるだろうと思う」と語った。
「覚えるべきことがたくさんある。新しいこともたくさんある。だから、ルーキーとしてそこに踏み込むのは非常に難しいと思う」
「彼が今年1年間チームに残ってくれて本当に嬉しい。特に、彼がチームのことをよく理解し、チームの一員として活躍してくれていることは嬉しい」
「彼はブリックスワース(メルセデスのエンジン部門がある拠点)に何度も来ている。我々は、これから変更される技術的な部分をすべて検討してきた。彼もそこに意見を述べている。だから、彼が今年レースに出場してくれたことを本当に嬉しく思っている」

