来年３月開催のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）。各国ともMLBのスター選手の参加が発表されるなど、大会への注目度は高まり続けているが、WBCでの疲労がシーズンに響く恐れもあり、代表チームへの選手派遣について難色を示すメジャー球団幹部の声も報じられている。
とりわけ、MLBで新たに指揮を執る新人監督にとっては、３月のWBC開催はレギュラーシーズンを戦う上での大きな“課題”となりかねない。26年シーズンからサンフランシスコ・ジャイアンツを率いる、トニー・ビテロ新監督は特に、春先からのチームマネジメントが試されることになりそうだ。
米大学球界の強豪校テネシー大の監督から、プロでのコーチ、監督経験を経ずに、いきなりMLB球団で指揮を執る新監督に対し、米メディア『AROUND THE FOGHORN』でも、「ビテロにとってWBCは最悪のタイミングで訪れた」などと不安視する。
ジャイアンツからは、エースのローガン・ウェブがWBCへの参加を表明。他にも、ウィリー・アダメス、ラファエル・デバース、イ・ジョンフらも大会出場が有力と説く同メディアは、ジャイアンツの主力がチームを離れることを「より大きな問題」と指摘。その理由として、スプリングトレーニングでのチームの意思統一やアイデンティティの確立が困難になると見ており、「ウェブとアダメスはチーム内でも特に影響力の大きいリーダーであり、彼らが数週間不在となれば、チームを一体感のある集団にまとめるのが難しくなるかもしれない」と主張する。
また同メディアは、「メジャーリーグでの監督経験がまだ浅く、クラブハウスでの信頼を築こうとしているビテロにとって、この（WBC開催）タイミングは理想的とは言えない」と見解を示すとともに、「ただし、彼のエネルギーや人柄が、スプリングトレーニングで主力を欠くことによる問題解決への助けになる可能性もある」との予想も綴っている。
WBCによる複数の主力選手の離脱が確実となる中、ビテロ監督は新シーズンに向けどんなチーム作りを行なうのか注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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