六代目山口組直参の身にも、現在進行形で当局の捜査網が降りかかっている。12月2日、直系組織である二代目旭導会の川合彰典会長が、北海道旭川市から住民税非課税世帯に支給された物価高対策の給付金5万円を不正受給したとして、詐欺容疑で逮捕されたのだ。
「警察によれば、川合会長は給付金を受け取ったことは認めているものの、詐欺については否認しているそうです」(地方紙記者)
また、係争中の直参も少なくない。顕著なのがいわゆる「ETC裁判」だ。執行部を含む4人の直参が、いまだ裁判を抱えている。
山下昇本部長(極粋会会長)は若頭補佐時代の24年10月に、ETCの不正利用による電子計算機使用詐欺罪で懲役1年6カ月(執行猶予3年)の有罪判決を受け、それを不服として控訴するも棄却。最高裁へ上告している。24年3月に一審で懲役10カ月の判決を受けた秋良東力若頭補佐(秋良連合会会長)も同様に控訴、高裁に棄却され上告中の立場だ。六代目早野会の鈴川驗二会長も同様の事件で現在、高裁に控訴中。二代目章友会・新井錠士会長だけは一審で無罪判決を勝ち取るも、検察側が控訴。今年11月に控訴審が開始している。
「いずれも、詐欺被害額とされるのは数百円から数千円程度。ありていに言えば警察が、それこそ24時間体制で直参衆を監視したうえで、六代目山口組直参だからわざわざ粒立てて、社会不在を狙った事件だと言える。六代目山口組は今年4月に分裂抗争終結を一方的に宣言したが、敵対組織はいずれも存続したままだ。警察としては抗争が終わったという判断は下せない。警戒はこれまでと同様に続けていくだろう」(他組織関係者)
ヤクザと警察権力の熾烈な攻防に終わりはない。

