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ジャズを牽引する若き司令塔キヤンテイ・ジョージ。超進化の背景にフロントからの“檄”「『そろそろ成長してくれよ』と」<DUNKSHOOT>

ジャズを牽引する若き司令塔キヤンテイ・ジョージ。超進化の背景にフロントからの“檄”「『そろそろ成長してくれよ』と」<DUNKSHOOT>

3年連続でプレーオフ進出を逃しているユタ・ジャズは、今季も現在10勝16敗でウエスタン・カンファレンス12位と苦しいシーズンを送っている。

 しかしそのなかで希望の光となっているのが、3年目のガード、キヤンテイ・ジョージだ。

 12月12日に行なわれたメンフィス・グリズリーズ戦でキャリアハイの39得点をマークすると、そこから3試合連続で30点超えを記録。ここまで平均23.9点と、3年目にしてアベレージを20点台に乗せ、6.8アシスト、フィールドゴール成功率45%と、数字の上でもデビューイヤーから確実に進化を遂げている。

 学生時代はコンボガードだったジョージは、2023年のドラフトで16位指名を受けジャズに入団すると、ウィル・ハーディHC(ヘッドコーチ)にポイントガードを任された。

 司令塔として常にフロアで声を出す役割を担う状況に、当時のジョージは「ウィルは僕をあえて居心地の悪い状況に置いているけど、僕はそれに慣れることを学んでいるところ」と、それが自身にとって大きな挑戦であると語っていた。
 「ロッカールームには僕よりずっと年上の選手たちがいる。30歳の選手に『ヘイ!コーナーに入って』とか『今はこの戦術だ!』なんて指示するのは結構思い切りがいる。でも一緒にコートに立っている4人が、ミスから学ばせてくれたり、試合を通して僕にチームを引っ張らせてくれている。僕にとっては、そのことが本当に大きな助けになっているんだ」

 3年目を迎えた今のジョージは司令塔役も板についてきたが、それは単に試合数を重ねたからだけでなく、彼なりの努力があってのことだ。

『NBA.com』に掲載された記事によれば、昨季が終了した後、球団幹部やハーディHCとの面談で、ジョージはかなり率直な意見を浴びていた。

「要は『そろそろ成長してくれよ』という話だった。自分はもう一段階ステップアップしなければならないと。つまりは、上向きの成長曲線を保って、頭打ちにならないようにするにはどうすべきか、ということだ」

 さらには、守備面の強化、シーズンを通してハイパフォーマンスを維持するためのコンディションの管理といったより絞り込んだ課題を示されたことも、オフシーズンに有意義な準備をする上で役立った。 夏の間はほとんどの時間をユタでのトレーニングに充て、ワークアウトのようなイベントを自ら企画しては、チームメイトとの関係をより深めることにも励んだ。

 チームの主砲であるラウリー・マルッカネンは、そんなジョージの成長ぶりについて、シーズン開幕して間もない頃、こんなコメントをしている。

「コート外で多くの時間をともに過ごしたのが、コート上でのプレーに反映されている。お互いを信頼しているし、特定の状況において彼がどんなリアクションをするかがわかるようになった。最初の2年間を経て、彼はよりオープンになった。彼はすごく良いヤツなんだ。彼と一緒に過ごす時間は本当に楽しい」

 また、持てる力を発揮するには、メンタル力が重要だという気づきも得た。その上で、メンタルヘルスの大切さについて提唱している大先輩ケビン・ラブが今季、ロッカールームで隣になったことも大きなプラスになっている。

 そんな何事にも前向きなジョージを、ハーディHCも「彼は、自らの取り組む姿勢(ワークエシック)によって、チームメイトから絶大な信頼を勝ち得ている」と高く評価している。
  18日のロサンゼルス・レイカーズ戦では大黒柱マルッカネンを負傷で欠くなか、ジョージはいずれもチーム最多の34得点、8アシストと奮闘した。この試合ではルカ・ドンチッチが45得点、14アシスト、11リバウンド、5スティールの大活躍を見せレイカーズが143-135で勝利を手にしたが、ジョージのここ最近の好パフォーマンスについて「オールスターレベルの選手だと言えると思うか?」と聞かれたレブロン・ジェームズは、ジョークを交えながらこう賛辞を贈っている。

「最近は『Youtube』のゴルフ番組ばっかり見ているから、自分はその質問に答えるのにふさわしくないな……(笑)。今日の試合ではすごい良いプレーをしていた。前に対戦した時も素晴らしかった。彼は自分たちと対戦する試合では、いつも本当に良いパスケをしている」

 3x3のアメリカ代表として、U18ワールドカップで金メダルを手にした経歴を持つジョージの得点力と運動能力はお墨付きだった。そこへ、守備力やフロアリーダーとしての成長が上積みされている。

 先月で22歳になったばかりの若き司令塔は、ジャズ復興の牽引力として、上向きの成長曲線を歩んでいるようだ。

文●小川由紀子

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配信元: THE DIGEST

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