『RING FINALE 2025〜全員主役のカーテンコール〜』後楽園ホール(2025年12月21日)
KO-D無差別級選手権試合 ○上野勇希vs正田壮史×
上野が正田の挑戦を退け、KO-D無差別級王座V4に成功。2026年1・25後楽園大会で佐々木大輔、クリス・ブルックスと同王座、DDT UNIVERSAL王座の2本のベルトをかけた変則3WAYマッチを行うことが決まった。
11・30後楽園大会におけるスーパー・ササダンゴ・マシンとの2冠戦を制した上野はKO-D無差別級3度目、UNIVERSAL初防衛に成功した。試合後、上野の希望で新世代D GENERATIONSメンバー10選手による、じゃんけんトーナメントが実施。勝ち抜いた正田のKO-D無差別挑戦が決まった。
正田は2022年8・14後楽園大会で同団体史上最速となる入門3ヵ月でデビュー。2023年2月には「D GENERATIONS CUP」を制覇し、2024年8月にはクリスとのコンビでKO-Dタッグ王座を戴冠。一方でシングル王座(アイアンマンヘビーメタル級王座は除く)にはなかなかたどり着くことはできず、2度のUNIVERSAL王座挑戦はいずれも当時王者のMAO、鈴木みのるに完敗している。
KO-D無差別級へはこれが初挑戦。両者の一騎打ちは昨年12・28両国大会以来、丸1年ぶりとなった。12・3新宿大会におけるタッグマッチでの前哨戦では上野が失神TKO勝利を収め、若き挑戦者にゲキを飛ばしていた。
序盤、正田がエルボー連打、サミング、ドロップキックと攻め立てたが、場外戦になると、上野が鉄柱攻撃など厳しい攻めを展開。さらに上野がジャーマン、変型カナディアン・デストロイヤーを繰り出せば、負けじと正田はスワンダイブ式ミサイルキック、ぶっこ抜きジャーマンで反撃。上野がハーフネルソン・スープレックス、シャイニング・ウィザード、フロッグスプラッシュの猛攻に出ても、正田は2カウントでキックアウト。トラースキック、飛びヒザ蹴り、三角蹴りとキック攻撃を連発し、張り手を叩き込んだ。
上野はドロップキック、ラリアットで応戦。正田がカナディアン・バックブリーカーの体勢から強引に叩きつけ、正田のチカラKOBUムキムキを決めても3カウントを許さず。コーナーでの攻防から雪崩式フランケンシュタイナーを敢行すると、ドロップキックを発射。粘る正田もエルボー合戦から張り手、ミドルキックを見舞ったものの、ドロップキックで止めた上野がWRを爆発させてトドメを刺した。
試合後、上野は「正田、俺はメチャメチャ期待してるよ。正田なら俺の知らないプロレスラーの姿を見せてくれると信じてるよ。たぶん、いつか正田に負ける日だって来ると思う。DDTを盛り上げて、メインにいっぱい出て、引っ張ってる姿もあると思う。だから、楽しみやから頑張れ! 俺を倒しに来い」と健闘を称えてエール。一方で「でも大丈夫だ。俺を超える日は来ない!」と断言し、DDTの頂点獲りが容易ではないことを突きつけた。
ここで佐々木が現れ、「オイ、上野! 今までの俺だったら、今すぐにでもてめえを襲ってるところだけど、俺もキャリア20年だ。そんなことはしない。上野、強くなった。シングル2冠王、(KO-D6人タッグと)全部合わせて3冠王の上野、お前に正々堂々と挑戦表明したい」とアピール。右手を差し出したが、上野が握手に応じると急所蹴りを叩き込んだ。
さらに佐々木がペディグリーを狙うと、クリスが飛び込んで制止。救出に入ったと思いきや、クリスは上野の顔を張って「助けてないよ。俺が挑戦したい」と表明した。佐々木が「てめえ、邪魔してんじゃねぇ。俺の獲物だ。邪魔するなら、てめえともやってやる!」と言い放つと、上野は「やりたいならまとめてやってやる。UNIVERSALも無差別もかけてやってやったるよ!」と2本のベルトをかけての迎撃を宣言した。
この事態にCyberFight彰人取締役は「1月25日、後楽園で3WAYでやりましょう。ただ、せっかくベルト2本あるので、2本一気にかけるんじゃ面白くないと思うんです。変則の2本勝負にしましょう」と決定。「1本目はUNIVERSALをかけて戦う。勝った人がUNIVERSALのチャンピオン。そのまま3人で試合を継続して、2本目勝った人が無差別級のチャンピオン。仮に1本目獲った人が2本目負けたとしてもUNIVERSALは落としません。上野君が両方防衛するためには、2本とも直接あなたが勝たないとベルトはあなたの腰には戻ってこない」とルールを説明したうえで提案した。ハイリスクなダブルタイトルマッチとなるが、上野はこれを受諾。1・25後楽園大会で3WAY変則2冠戦が決定した。
☆1/25(日)東京・後楽園ホール『MISSION IN BATTLE〜新春絢爛〜』10:30開場、11:30開始
▼KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両選手権変則3WAYマッチ
[挑戦者]
クリス・ブルックス
vs
[挑戦者]
佐々木大輔
vs
上野勇希
[第88代KO-D王者、第19代UNIVERSAL王者]
※上野KO-D王座5度目、UNIVERSAL王座2度目の防衛戦
※一本目の3WAYマッチで勝利した選手がUNIVERSAL王座を獲得、続けて行われる二本目の3WAYマッチで勝利した選手がKO-D無差別級王座獲得となる変則二本勝負
【上野の話】「正田、もっと自由に生きろ。佐々木大輔、ベルト盗まれて血みどろにされて、イヤなことたくさん言われて、やられにやられて。プロレスってこんな風に楽しむことができるんだなんて思って。クリス・ブルックス、英国から来た日本で親友になって、誰よりもバチバチとやり合える仲で。人生もプロレスも尊いことを感じられた。きっと正田の進む先には誰にもいない。迷ったら俺を倒しに来い。倒したい先輩、倒したいチャンピオンでいるから」
【試合後の正田、クリス】
▼正田「とてつもなく楽しかったです。この挑戦が決まってから試合が終わるまで、頭がパンパンでガムシャラにやってきて。これからは自分らしく自由にプロレスしていこうかなって思って。またどうせループにはまってしまうんだろうと思っている皆さん、もうループにははまりません。一つ一つ行動で示したいなと。シャーデン(フロイデ・インターナショナル)をやめる。自分の環境を変えないと、また言う人は言うでしょ。俺がループにはまったと。だから、これはDDTで自由に楽しんでいく覚悟の一つです」
▼クリス「ビックリしたけど、プロレス人生、自分の人生だね。でも、ここで終わったらよくないでしょう。1月3日、後楽園までシャーデンで」
【佐々木の話】「上野、偉そうにダラダラしゃべりやがって。てめえだけは俺が責任をもって地獄に叩き落として、不幸にしてやる。クリス・ブルックス、お前もだ。邪魔するヤツは一緒に地獄に叩き落としてやる。俺があのベルト2本手に入れて、俺のキャリア20周年の集大成を見せる。3WAYは得意だ。“3WAYの魔術師"と言われてるんだよ。必ず俺が2本のベルトを手に入れる」
