選手会の発案で被災地訪問へ
二度目の訪問時、被災地の復興状況を見学する選手たちこうした復興支援活動は、実はB.LEAGUEが2016年の設立当初から取り組んでいる社会的責任活動「B.LEAGUE Hope(B.HOPE)」の一環だ。B.HOPEには「PEOPLE(人類)」「PEACE(平和)」「PLANET(地球)」と、3つの領域があり、それぞれの領域で、クラブ・選手・ファン・地域・パートナー企業の方々を巻き込み、共にSDGsの実現を目指したアクションを推進している。
たとえば、「PEOPLE(人類)」では、障がいのある子どもとその家族を試合に招待して、スポーツを通じた相互理解、共に手を取り合える社会の実現を目指すなどの活動をしている。また、「PLANET(地球)」では、気候変動対策(CO2削減)や、循環型社会の実現を目指した地球に優しい活動に取り組む。そして、「PEACE(平和)」は、復興支援、街づくり、防災にまつわる活動。まさに能登復興支援がこれにあたる。
「私たちは、単にバスケットボールの試合をお届けするのではなく、オフコートでも社会が抱えるさまざまな課題解決に向けてアクションを起こしていくという思いから、B.HOPEをスタートさせました」
2025年の能登訪問時、バスケットボールクリニックで子どもたちと触れあう川真田紘也選手(長崎ヴェルカ)能登の復興支援も旗振り役はB.HOPEだが、参加や関わり方については各クラブ、各選手に任せているという。2025年6月には、「With能登」の活動として二度目の能登訪問が実現した。特に能登半島の場合、震災からわずか9ヶ月後に被災地を豪雨が襲い「二重被災」が発生。選手会からは「自分たちが行って喜んでもらえるなら、支援を続けましょう」という言葉があり、今年の訪問にも繋がったという。
訪問当日、石川県出身の選手をはじめ、さまざまなクラブの選手が被災地に駆けつけた。震災は一瞬のできごとだが、真の意味での復興には長い年月が必要になる。B.HOPEでは、被災地支援だけでなく、災害が発生した際に「備える人・動ける人・助ける人」が増えることを願って、さまざまな活動を続けていくそうだ。
井坂さんは、能登の復興支援で出会った子どもの、ある言葉がとても印象に残っているという。「辛いこともあるけれど、自分も将来、こうした支援ができるような大人になりたい」
支援してくれるB.HOPEの選手やスタッフに対する感謝を伝える際、自分の未来に向けて語ってくれたこの言葉。「辛い経験を、しっかり自分の糧にしようとしていて、子どもたちは強いなって思いましたし、その強さこそが未来につながる種なのではないかと感じました」と井坂さんは振り返る。そして、未来をつくる子どもたちの心に、希望や強さの種を蒔く。それこそが、スポーツ団体が復興支援を続ける意義でもあるのだろう。
text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
写真提供:B.LEAGUE
