衰退メディアの筆頭格と言われているのが、紙媒体(新聞や雑誌)とテレビ媒体(テレビやラジオ)です。「出版不況」という言葉にもあるように、紙媒体が売れなくなってからだいぶ時が経ちました。そんな中でも、パズル雑誌は売れているといいます。パズル雑誌の現状を把握するため、パズル雑誌の発行部数がトップクラスだという出版社、株式会社マガジン・マガジンでパズルメイト編集部 総局長を務める安原美能留さんに話を聞きました。
出版不況でも右肩上がりな雑誌ジャンル
ーー「パズル雑誌は売れている」というのは本当ですか?
安原:出版不況と言われる中でも、パズル雑誌は基本的に右肩上がりで伸びているジャンルなので、「パズル雑誌は売れている」というのは本当です。
特に、2000年代初頭の「脳活ブーム」や、最近のコロナ禍による巣ごもり需要の時期には、大きな伸びを見せました。ちなみに、弊社のパズル雑誌は2024年の総発行部数が1067万部で、業界No.1となっています。
ーーやはり「パズル雑誌の読者=高齢者」となるのでしょうか?
安原:はい。読者層は時代とともに変わってきました。以前は、パズル好きで少しマニアックな若い世代が多かったのですが、今では50〜70代の高齢者がメイン層になっています。
購入目的も「認知症予防」や「ひまつぶし」など、より生活の中で気軽に楽しむ方向へと変化しています。男女比はジャンルによって多少違いはあるものの、全体的には女性のほうが多い傾向です。
ーースマホが苦手な高齢者がパズル雑誌の主要な読者層ということになりますか?
安原:たしかに「高齢者=スマホが苦手」という面もありますが、それ以上に、「文字が大きくて読みやすい」「実際に書き込めるのがうれしい」といった理由から、スマホのパズルゲームより雑誌を選ぶ方が多いです。
ーースマホで無料のパズルゲームではなく、わざわざお金を払ってパズル雑誌を購入する理由はどこにあるのでしょうか?
安原:メイン読者である高齢の方たちは「文字が大きくて読みやすい」「書き込みながら楽しめる」といった理由に加えて、問題を解いて応募すると懸賞が当たるから雑誌を買うという方も多くいます。ちなみに弊社のパズル雑誌は全問が懸賞対象です。
また、一口にパズルゲームといってもタイプはさまざまで、「ナンプレ(数独)」のようにスマホと相性のいいジャンルもありますが、「クロスワード」や「漢字ナンクロ」などはスマホだととにかく解きづらく、雑誌で解いたほうが圧倒的にストレスがありません。
さらに、難しめの問題が好きな若い世代にとっても、じっくり解いて遊びたい場合には、スマホより雑誌のほうがマス数やバリエーションが豊富で、より満足できる問題を提供できるため、雑誌に軍配が上がると思います。
現在の主流はクロスワード
ーーパズル雑誌の人気ジャンルは?
安原:時代によって、人気のジャンルも少しずつ変わってきました。たとえば、前述した2000年代初頭の「脳活ブーム」のときは、「ロジック系」が大人気でした。
現在の主流は「クロスワード」ですが、1冊の中に「クロスワード」だけでなく、「間違い探し」や「漢字パズル」などが一緒に入っていることが多く、ジャンルとしては「パズル総合誌」といえるかもしれません。
その中で、弊社で最も売れているのが『文字の大きなクロスワード』と『文字の大きなクロスワードEX』です。最大の特徴は、他社に先駆けて導入した、読みやすさ・解きやすさにこだわった「大きな文字」。
この「大きな文字」をウリにしたパズル誌は、いまでは他社にも広がり、ジャンルの枠を越えて、パズル雑誌全体の中でもかなり大きな存在感を占めるようになっています。
