ドゥカティのマルク・マルケスはMotoGP第17戦日本GPで、MotoGPクラス7度目・ロードレース世界選手権で通算9度目のタイトル獲得を目前にしている。2020年の怪我で苦しい時期が続いたが、不運の物語をハッピーエンドで締めくくりたいと彼は語った。
コロナ禍2020年の実質開幕戦となったスペインGPで、当時ホンダに在籍していたマルク・マルケスは大クラッシュを喫し、右腕を骨折。その後急いで復帰したことが仇となり、右腕を更に3回も手術する必要に迫られた。
さらにホンダの低迷もあり2021年から2023年にかけて苦しんだマルク・マルケスは、2024年にグレシーニへ移籍。ドゥカティのマシンに乗って復活を果たし、2025年はファクトリーチームで開幕戦から連勝に次ぐ連勝で、2019年以来のタイトル獲得に近づいている。
日本GPではランキング2番手の弟アレックス・マルケス(グレシーニ)に対し、3ポイント差を広げることができれば、タイトルが確定。日本で再びタイトルを決める可能性はかなり高いと見られている。
「勝利を争いたいという気持ちはあるよ。チャンピオンシップを勝ち取れるチャンスなんだからね」
タイトル確定の可能性がある中、どんな気持ちで臨んでいるかを訊かれたマルク・マルケスはそう語った。
「週末を通じて速くありたいけど、普段通りの気持ちを維持していくことも目標なんだ。そして、タイトル争いを有利に進めるという考えもある。というのも、3ポイント差を週末を通じて広げるというのは、言われているほど楽じゃないんだ。アレックスはとても良い調子だからね。でもベストを尽くすよ」
「日曜日に(タイトルを)祝えるか、それともお預けかはわからないけど、心配せずとも僕は待つことはできるんだ」
そしてマルク・マルケスは、2020年に負傷したことで今は第二の人生を歩んでおり、最高の形で締めくくりたいと語った。
「タイトルの価値は(以前と比べても)同じだ」
「でも、僕はキャリアで最も苦しい時期を過ごしてきたこともあって、最大の挑戦になっている。だからこそ、この瞬間を楽しむんだ。それが僕にとって最も重要かつ大きな価値になっている」
「この5年間は本当に大変だった。ライダーとしてのキャリアを2~3年失ったと思う人もいるだろう。でも私生活でも多くのことを学んだよ。繰り返すのは嫌だけど、この経験は気に入っている」
「そして今、僕は第二の人生を歩んでいる。最高の形でこの期間を締めくくれればと思うよ」
なおマルク・マルケスは日本GPに向けて、だるま要素を取り入れた特別カラーリングのヘルメットを用意。タイトルを獲得し、もう片方の目に「筆を入れることができるといいね」と語っていた。

