2025年度(1月~12月)に反響の大きかった政治記事ベスト5をお届けする。第3位は、都議選、参院選と候補者の全員が落選した地域政党「再生の道」の石丸伸二代表が党離脱を表明し、党の行方を考察した記事だった(初公開日:2025年8月28日)。
東京都議選に出馬した42候補と参院選の10候補が全員落選した地域政党「再生の道」の石丸伸二代表(43)が8月27日に記者会見し、党代表を9月16日に退くと発表した。既定方針通りだと説明している。会見では自身の去就に絡む記事の表現に不満があるメディアを詰問する“石丸節”をみせ、東京都知事選の再出馬に意欲を見せた。一方で党関係者は石丸氏という「党の顔」を失えば活動資金にもこと欠くことになると暗い表情だ。
朝日、日経記者をガン詰め
会見開始予定時刻の10分以上前に席についた石丸氏は「メディアとのコミュニケーションの時間」を取るとまず宣言。
数日前に石丸氏の辞任を報じた朝日新聞の記者を名指しし、「石丸伸二氏が再生の道代表辞任へ、都議選と参院選で全敗」という記事の見出しについて「最後の一文、どういう気持ちでつけられた?」「(特定の意図に基づく)印象を与えてますよね」と詰問し始めた。
朝日新聞は選挙惨敗と代表が辞めることを並べることで引責辞任だと印象付けようとした、と言いたいらしい。
「一般的にはリベラル、愛と平和をうたう立場なのかなと思うんですが、実態としては愛だ平和だと叫びながら憎悪を撒き散らしてるっていうのが皆さんじゃないですか」
「自分たちは批判を加えているだけだと言いながら、しかし他の誰かがやったらそれは攻撃だと急にダブルスタンダードを使ってくる」
石丸氏の言葉はどんどんヒートアップ。朝日の見出しと何の関係があるのか分からなくなってきたところで矛先が変わり、今度は石丸氏が目をつぶる写真を掲載した日本経済新聞の電子版記事をスマホで示し、日経の記者に向かって日経が自分に「敵意(を)向けた」と主張した。
こうして報道陣にカマしたところで開始予定時刻に。会見で石丸氏が説明したのは9月15日に党代表選を行ない16日に交代するとの日程だ。
都議選と参院選に党から出馬した計52人のうち10人程度がこれまでに党を離れている。残る中で今後も再生の道で政治活動を続ける意思を持つ約40人が代表選の立候補資格と選挙権を持ち、8月31日まで立候補を受け付けるという。
「任期についてちゃんと言ってますから」
そして石丸氏自身は公募で選ばれていないので立候補も投票も資格はないとし、「私は再生の道のメンバーではなく発起人」と主張。今後も求められれば選挙の応援には応じるが、党からは「いったん抜けます」と話した。
取りざたされる広島県知事選出馬には否定的な考えを示す一方、3年後の東京都知事選出馬は「有力な選択肢の1つと捉えてます」と口にした。
会見で石丸氏は党代表を退くことは既定路線だということを最も強調した。選挙惨敗の責任をとるのではなく、再生の道の代表には「任期」がありこれを終えたとの主張だが、党代表に任期があることは出席した記者のほとんどが知らなかったもようだ。
そこで石丸氏は、
「私が任期について今まで公に言ったことはありますよ、昨年の12月、ReHacQというネットメディアのライブ配信で(大阪府の)吉村知事との対談で言及してます。『再生の道をこれから作る』『新党を作ります』と。
で、『代表は早ければ選挙の前に、遅くとも選挙が終わったら交代する』『出口戦略ももう決めてるんだ』と言って立ち上げてるんです。多分ほとんどの方、忘れてるか知らない状態だと思うんですが、ちゃんと言ってますから」
と話し、任期のことは公に話していると主張した。そして朝日と日経を槍玉にあげた意図を話した。
「なんで私がこんなところにこだわってるかというと、私が過去の発言を捻じ曲げたかのような印象を与える報道がこれまでされてきたからです。
“いや、最初から言ってたじゃないですか”と私の立場としては強く訴えたいんですけども、メディアの皆さんにそうではない伝えられ方をするともう抗いようがないですね。なので、やめてほしいなと思って今日はこの10時の(会見開始)前のくだりから釘を刺しにいったというところです」(石丸氏)

