開催日の変更——猛暑・担い手不足と伝統のはざまで
まず、開催日の変更については、「変更した、または検討したことがある」と回答した団体が25、「検討したことがない」と回答した団体が26でした。
変更を検討・実施した理由としては、猛暑や豪雨など気象への対応、担い手不足への対策、平日開催による来場者減少への懸念など、運営上の現実的な事情が多く挙げられています。とくに近年は、来場者や担い手の安全確保の観点から、夏季開催のあり方を見直す必要性を感じている声が目立ちました。
一方で、開催日を変更していない理由としては、「祭礼日は神様との約束であり、変えるべきではない」「日程は神社や宗教法人が決定する事項である」「長年続いてきた伝統や地域の慣習を重視したい」といった声が多く寄せられています。開催日が単なるスケジュールではなく、祭りの意味や信仰、歴史そのものと結びついていることが、あらためて確認できる結果となりました。
自由記述の中には、神事の日程は維持しつつ、神輿や付け祭、関連イベントのみを週末に移すといった工夫も見られ、守る部分と調整する部分を切り分ける判断が行われている例もあります。
ドローンショーなど新演出への意識——関心と慎重さが同時に存在

ドローンショーなどの新しい演出手法の導入については、「前向きに捉えている」「良いと思う」が半数以上でしたが、やはり祭りの趣旨や世界観に合うのかといった点については、慎重な検討が必要だとする声が多くありました。新技術の導入そのものを否定するのではなく、各祭りの文脈に即して判断したいという姿勢が見られます。

