12月17日に閉幕した臨時国会会期末に、日本維新の会が自民党の罠にハマッた。議員定数削減法案について、臨時国会中に結論が得られなかったのだが、これは維新と自民党との連立政権時の約束に反することであり、維新は「連立離脱」をチラつかせてもいい場面。与党関係者が舞台裏を明かす。
「自民党が『離脱した場合は解散・総選挙だ』との情報を流したとたん、『この状況で解散されると党が消滅する』と維新は大慌てとなり、定数削減法案の先送りに同意したわけです。これに高市早苗総理周辺は『会期末の政局で維新の底が見えた。もう維新の顔色を見る必要がなくなった』と自信を深めています」
解散カードと同時にもうひとつ、自民党は「爆弾」を仕掛けた。維新の地方議員などがペーパーカンパニーと疑われる社団法人の職員となり、国民健康保険に加入せず、社会保険を割安にしていたのだ。これを大阪府議会で暴露したのは、自民党の占部走馬府議だった。
この国保逃れは自民党の裏金問題と同様、国民の怒りを買うのは必至。裏金まみれの自民党から仕掛けられたのに、維新は反論できないのだ。
高市総理と維新の吉村洋文代表が党首会談し、議員定数削減法案の通常国会への先送りを決めたのは12月16日。つまり来年の通常国会が終わる6月末まで、維新は何の政局も仕掛けられないことになる。「解散」「国保逃れ」という2つの爆弾が効いた。
これとは対照的に、高市総理は国民民主党の玉木雄一郎代表と12月18日に党首会談を行い、年収の壁を178万円に引き上げることなど、国民民主党の考えを丸飲み。様々な合意をとりつけた。
国民生活に関し、高市政権下で自民と維新間で実現したことは、ほぼない。国民民主のひとり勝ちだ。連立入りもしていない国民民主に先を越されたのだから、維新は注文をつけるのが筋だが、吉村代表が「国民民主党には3億円も団体献金をもらっている議員がいるよ」とテレビコメンテーター以下の対応だけで終わった。
逆に自民党は維新が離脱した場合でも、国民民主というパートナーを得た。玉木氏は「国民と約束した任務は完了だ」と高揚感に浸り、年収の壁引き上げを担保する来年度予算案に賛成することを示唆。これで政権の最大課題である予算案成立を見通すことができた。
「臨時国会で明らかになったのは、維新という政党に厚みがないことだ」
さる自民党筋がそう話すように、自維連立で維新が得られた成果は「チンピラ」というあだ名だけかもしれない。
(健田ミナミ)

