
高井幸大が間に合っていれば――我慢の時が続くか。21歳は育成枠ではない。慌てる必要はないが悠長に構えてもいられない【現地発】
トッテナムのDF高井幸大がこの試合に間に合っていれば──試合を眺めながらそんなことを考えていた。
9月24日に行なわれたトッテナム対ドンカスター・ローヴァーズのリーグカップ3回戦。トッテナムはイングランド3部のドンカスターを相手に終始攻め込み、3-0で快勝した。
7月中旬に足底筋膜炎で離脱した高井は、この試合もベンチ外で欠場となった。試合2日前の22日に全体練習へ合流したものの、リーグ杯には間に合わず、公式戦デビューはお預けとなった。
この一戦で、トーマス・フランク監督が採用したのは4-3-3。4日前に行なわれたプレミアリーグのブライトン戦から先発メンバーを7人入れ替えた。DFクリスティアン・ロメロやDFミッキー・ファンデフェンら絶対的な主力選手こそ欠場したが、MFシャビ・シモンズやMFアーチー・グレイら主力組は先発に名を連ねた。層の厚いトッテナムは選手レベルをさほど落とさず、1.5軍のメンバーで戦った。
そのなかで、CBを務めたのはオーストリア代表DFのケビン・ダンソと、本職が守備的MFのジョアン・パリーニャ。3部のドンカスターとの実力差は歴然で、CBの2人が慌てる場面はほぼ皆無だった。
しかも、会場はホームのトッテナム・ホットスパー・スタジアム。もし高井がこの試合でデビューしていれば、プレーしやすい環境だったに違いない。相手のプレスも弱く、得意とするビルドアップでも貢献できただろう。
試合直後に行なわれたリーグ4回戦の組み合わせ抽選を見届けると、そうした思いはいっそう強まった。次戦の相手は、昨季リーグ杯覇者のニューカッスルとなった。強度の高いプレーを得意とする手強い相手で、会場は熱狂的なサポーターが集う敵地セント・ジェームズ・パークとなった。
リーグ杯4回戦は、約1か月後の10月28日の週に開催予定だ。リーグ杯はチームにとってプレミアやCLに比べると優先順位が低く、高井にとっては出場チャンスの高い大会だ。しかし、ニューカッスルのレベルや試合会場、試合の難易度を考えると、高井が先発する可能性はかなり低いと見られる。
ベンチスタートであっても、追いかける展開になれば、DFの高井を投入する可能性は低いだろう。現状、高井はCBの5~6番手。サムライ戦士には、しばらく我慢の時が続くかもしれない。
試合後、フランク監督は次のように述べた。
「第一に、勝利に満足している。無失点で終え、次のラウンドに進出できたことを嬉しく思う。それが我々の目標だった」
この試合の注目ポイントは、守備的MFのパリーニャをCBで起用したことにあった。前任のアンジェ・ポステコグルー監督は19歳MFのグレイをCBで起用することがあったが、フランク監督は「アーチーはミッドフィルダーとして見ている」。代わりに、今夏の移籍期間でバイエルン・ミュンヘンからレンタルで加入したポルトガル代表をCBに抜擢した。
フランク監督は「パリーニャの出来にはとても満足している。今夏に加入し、良い働きをしてくれている。センターバックの役割を担ってくれただけでなく、素晴らしいゴールも決めた。本当に嬉しい」と笑顔で語った。
もちろん、高井としては慌てる必要はない。
当面の目標はプレミアリーグとイングランドのサッカースタイルに適応し、チーム戦術を取得すること。通常、外国人選手はプレミアリーグへの適応に6か月の期間を要すると言われる。英国での生活を含めて、高井はまずこの壁を乗り越える必要がある。
とはいえ、悠長には構えていられない。
たとえば、トッテナムで主力を務めるルーカス・ベリヴァルとグレイのMFコンビは共に19歳。今回のリーグ杯で先発したFWマティス・テルとFWウィルソン・オドベールは20歳である。今回の試合で先発したMFシモンズとGKのアントニーン・キンスキーは22歳であり、21歳の高井とさほど変わらない。途中交代で出場したFWルカ・ウィリアムズ=バーネットにいたっては16歳である。
高井は日本で「若手有望株」と位置づけられているが、欧州サッカー界における21歳は「若手」でありつつも、もはや育成枠とは言えない存在だ。「怪我を治して、早くサッカーがしたい」と語っていた高井も、これからエンジン全開でアピールを重ねていくことになる。
取材・文●田嶋コウスケ
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