日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、ずんぐりした体つきで動きが遅いことで知られる両生類の漢字です。皮膚には毒腺を持つ種類もいます。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
【蟇の語源と漢字の由来】
「蟇(ひきがえる)」は、カエルの仲間であるヒキガエル科の両生類を指します。漢字の「蟇」は、「虫へん」に「莫(バク)」が組み合わさった形声文字です。
「虫へん」は、古代において昆虫だけでなく小さな動物や爬虫類、両生類などを含むことがありました。
「蟇(バク)」の音を持つ漢字ですが、単体で「ひきがえる」と読むのは熟字訓(じゅくじくん)であり、この漢字がヒキガエルを指すようになった由来としては、ヒキガエルがモグラのように地面を掘って棲むという習性から、地中深くで身を潜める様子を表す「莫(くら)い」というイメージと関連付けられたという説があります。
和語の「ひきがえる」の語源は、「引き(ひき)」、つまり体を地面に引きずるようにして這う動作や、低い姿勢でいることに由来するという説が有力です。
【福を呼ぶ神様! 蟇(ひきがえる)のトリビア】
●ひきがえるの「ひき」とは?
和語「ひきがえる」の「ひき」は、歩くときに体を地面に引きずるような動作、または地中に引きこもる習性から来ていると考えられており、その見た目と行動をよく表しています。
また、ほとんどのカエルは跳躍が得意ですが、ヒキガエルは脚が短く、あまり跳ばずに歩行や短い這い跳びで移動します。この点も他のカエルと大きく異なります。
●皮膚に毒を持つ
多くのヒキガエルは、耳腺(じせん)や皮膚腺からブフォトキシンという毒を分泌します。これは外敵から身を守るためのもので、触れたり食べたりすると危険な場合があります。
●「お金を呼ぶ」縁起物
中国や日本の一部地域では、ヒキガエルは「三脚蟾蜍(さんきゃくせんじょ)」や「銭蛙(ぜにがえる)」として、金運や商売繁盛を招く縁起の良い動物とされています。
●アズマヒキガエル
日本に生息するヒキガエルの代表種は「アズマヒキガエル」や「ニホンヒキガエル」で、特にアズマヒキガエルは都市部の庭先でも見られる身近な存在です。
●生息地と冬眠
他のカエルが水辺から離れられないのに対し、ヒキガエルは乾燥に強く、森林、草原、住宅地など、水場から遠い多様な環境で生活できる特徴があります。
また、ヒキガエルは変温動物であるため、気温が下がると、地中深くや石の下などで冬眠に入ります。春になると再び地上に出てきて活動を開始します。
●「ガマの油」の真実
「ガマの油」は、ヒキガエルの毒腺から出る分泌物を薬効成分として利用したものではなく、実際にはガマという名称と軟膏を関連付けた江戸時代の妙薬の宣伝文句だったとされています。
