いつもと変わらない日常に潜んでいた違和感
その日、仕事を終えて帰宅した私は、いつものように洗濯物を片付けようとしていました。同棲を始めて1年。彼との生活にもすっかり慣れ、将来のことも少しずつ考え始めていた頃のことです。
洗濯カゴの中に手を入れた瞬間、指先に触れたのは見覚えのない生地。取り出してみると、それは明らかに私のものではない、派手なデザインの女性用下着でした。頭の中が真っ白になり、何かの間違いだと思いたい気持ちと、「やっぱり」という小さな疑念が同時に押し寄せてきたのを覚えています。
問い詰めた先に待っていた、残酷な現実
仕事から帰ってきた彼に、私は静かにその下着を見せました。最初は「友達が置いていったんじゃない?」と笑ってごまかそうとした彼。しかし、私が黙ったまま目を見つめ続けると、次第にその表情は曇っていきました。
長い沈黙のあと、彼はようやく口を開き、職場の後輩と関係を持っていたことを認めたのです。「寂しかったから」「つい流されて」——そんな言葉が続きましたが、私の耳にはもう何も響いてきませんでした。信じていた日々が音を立てて崩れていく、そんな感覚だけが胸に残りました。
