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アストンマーティンの“ベンチを温める”日々が続いたドルゴビッチ、ついにFEフル参戦へ。来季のリザーブドライバーは誰になる?

アストンマーティンの“ベンチを温める”日々が続いたドルゴビッチ、ついにFEフル参戦へ。来季のリザーブドライバーは誰になる?

アストンマーティンF1のリザーブドライバーを務めるフェリペ・ドルゴビッチは、アンドレッティと複数年契約を締結して2025-2026年シーズンのフォーミュラEに参戦することになった。彼にとっては久々のシングルシーターフル参戦であり、そのレースキャリアにおいても大きな転機になり得る。

 ドルゴビッチは2022年にFIA F2でタイトルを獲得。同年途中からアストンマーティンの育成ドライバーとなり、同チームのリザーブドライバーとテストドライバーを兼務してきた。F1のFP1に出走したり、タイヤテストに参加するなど貴重な経験を積んできたドルゴビッチだが、未だレースデビューを果たすには至っていない。

 その間彼は全くレースに出場していなかったわけではなく、耐久レースのカテゴリーであるWEC(世界耐久選手権)やELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)などを戦ってきた。そしてフォーミュラEにもマヒンドラからスポット参戦の経験がある。しかしながら、彼にとってはそれで十分とは言えなかった。

「僕は今年の初めから、レースに戻りたい、ただ傍観者として待っているわけにはいかないという思いを強く持っていた」

 ドルゴビッチはそう語る。

「僕が本当にやりたかったのは、再びマシンに乗るということだった。F2の最終戦を走って以降、ずっと恋しく思っていたし、自分のメンタルを保つ上でもそれが必要だった」

「そんな中で、このような規模と知名度のあるチームから出られることになったのは本当にクールなことだ。自分個人としても嬉しいことだし、アンドレッティのようなチームで走れることも嬉しいんだ」

「僕が(ここ最近)出ていたレースは大半が耐久レースで、みんなで色々なものを共有するレースだった。それも嫌いじゃないけど、自分だけのマシンがあって、自分のメカニック、エンジニアがいる感覚が恋しかった。これはキャリア初期から慣れ親しんだ感覚だ。でもそこに挑戦したいという気持ちがあるかどうかは確信が持てなかった」

 2024-2025シーズンにベルリンE-Prixでスポット参戦した際には、19番手から7位まで追い上げポイントを獲得するという活躍を見せたドルゴビッチ。アンドレッティからは数年前から声をかけられており、その当時から好印象を覚えていたという。

「最初にチームから声をかけられたのは2023年で、ちょうどジェイク・デニスがタイトルを獲った、チームが絶好調の時期だった。だから自分の中でチームへのイメージはとても良かった」

「再びアプローチしてもらえたのは最高だったし、最初に声をかけられた時の記憶、彼らがトップにいた時の記憶が、今回彼らを選んだ大きな理由だ」

「彼らはとても強いチームだ。すでにチームスタッフの多くを知っているし、それでさらにチームの実力を確信した。できれば早いうちに、勝利やタイトルを争えるようになりたい」

 2025-2026シーズンのフォーミュラEは史上最多となる18戦のカレンダーで争われる。開幕戦は12月6日、ドルゴビッチの母国ブラジル・サンパウロで行なわれる。

「母国の観客の前で走れるなんて本当に最高だ」

「ずっと夢見てきたことだし、それを世界選手権規模のシリーズで実現できるなんてね。昨年のレース映像を見たけど、グランドスタンドは超満員だった。今年はもっと多くの人が来てくれるといいね」

 ただそのサンパウロ戦は、F1の今季最終戦アブダビGPの週末に行なわれる。その他にも、フォーミュラEとF1の開催日程はいくつかバッティングしている。

 フォーミュラEでフル参戦することが、アストンマーティンF1でのリザーブ業務にどのような影響を与えるのか尋ねられたドルゴビッチは、「正直今のところは分からない。今はアンドレッティとのことに集中している。自分にとって何が有益で、何が有益でないかを見極める必要がある」と口をつぐんだ。

 また現状のフォーミュラEのドライバー市場に目を向けると、ドルゴビッチとアストンマーティンでのリザーブ業務を分け合っているストフェル・バンドーンがフォーミュラEのシートを失う可能性が出てきている。彼は2024-2025シーズンにマセラティから参戦したが、来季からシトロエンとなる同チームは既にニック・キャシディとジャン-エリック・ベルニュの起用を発表しているからだ。その他も多くのチームが陣容を固めており、バンドーンの選択肢は少なくなっている。

 それに、アストンマーティンのリザーブドライバーとテストドライバーを務めるバンドーンとドルゴビッチが、共に同じ週末にフォーミュラEを戦うというのは考えづらいというのも事実。アストンには他に育成ドライバーのジャック・クロフォードがいるが、彼はキャデラックのリザーブ入りを狙っているという話もある。

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