2025年度(1月~12月)に反響の大きかった記事総合ベスト10をお届けする。第10位は、20代から糖尿病を患い、今はほとんど目が見えない状態のコージー冨田が語る闘病生活についての記事だった(初公開日:2025年4月12日)。
タモリ、笑福亭鶴瓶、石橋貴明などクオリティの高いものまね芸で人気のコージー冨田(58歳)。実は長らく糖尿病を患い、6年ほど前から目がほとんど見えない状態だという。今や10人に1人が罹患しているとも言われている国民病の恐怖と、それでも前向きに取り組んでいるという闘病生活について話を聞いた。
ビールが永遠に飲めてしまう
――糖尿病の発症はいつだったんですか?
コージー冨田(以下、同) 25~6歳のときにやたら喉が渇いたんですよ。そのときに糖尿じゃないかなと思って、病院で血糖値を測ったら基準が110のところ270もあって「立派な糖尿病」と言われました。
でも、病気と知っても何も思わなかったですね。なぜかというと、苦しくないから。喉が乾く程度で、他に症状が特になかったので、病気の実感がなかったです。
――考えられる原因は何かありましたか?
食べすぎが原因ですね。当時、お店をやっていて営業が終わってから深夜に食事をするんですけど、お腹いっぱい食べていましたね。お酒はまったく飲んでおらず、実は糖尿病になってから飲むようになりました。
――えっ、糖尿病になってからアルコールデビューですか!?
すごく喉が渇くから、ビールなんて永遠に飲めちゃうんですよ(笑)。酔う感覚を知ったのも病気になってからなんです。酔うってこんなに楽しいのかって。
――医師から止められなかったんですか?
もちろん止められましたよ。お酒、タバコはやめたほうがいいと言われたし。でも結局、量の問題なんですよね。甘いモノも食べちゃいけないわけでなく、食べすぎがダメなんですよ。体の中に入ったら、甘いモノだろうが何だろうがすべてブドウ糖に変わる。だから、結局バランスなんです。
――糖尿病の治療というと、まずインスリン注射が思い浮かびますが、いつから打っているんですか?
嫌だったんですけど、40歳頃から打ち始めました。糖尿病は、「しめじ」と言って、神経症、目の衰え、腎臓、この3つがどんどん悪くなっていき、普通の生活ができなくなってくるんです。
まず、足の感覚がまったくなくなっちゃって。神経障害になっていたんですね。ある日、ホットカーペットで寝ていて、火傷して水ぶくれになって。でも足の感覚がないから「熱い」とまったく気が付かなかったこともありましたね。
――注射は痛くないんですか?
針はものすごく細いので痛くはないです。インスリンは2種類あって朝起きたときと、食事のときに打っています。
弱視によりさまざまな困難が…
――58歳になられましたが、今はどういう症状が出ていますか?
目が弱視です。ビニール袋をかぶってモノを見ている感じで、ぼんやりしています。まるで思い出の中で生きているよう。だからひとりで出掛けられなくなりました。基本的には、妻、マネージャー、芸人の後輩、誰かに付き添ってもらっています。杖も使っていますね。
――仕事への影響は?
ナレーションの仕事が大変です。原稿の字が見えないので、文章を言ってもらって、それを覚えて収録しています。スタッフに迷惑をかけちゃってますね。
クイズ番組にも出ることができないですし。出題に図解や写真などあり、音声だけではないので正解を判断することができません。
(ライブなどの)ステージは立ち位置を確認するため、しっかりリハーサルをやるようになりました。舞台から降りてお客さんのもとへ回るのも、後輩に一緒についてもらって回っています。困るのはお客さんからチップを差し出されても見えないことかな。損しているかも(笑)。
――目が見えないことで、怖い思いをしたことはありますか?
営業で初めて訪れる場所や、段差は怖いですね。
親切に教えてくれる人もいるんですが、人によって階段の数え方って違うんですよ。「あと3段です」と言うので、3段で終わりかと思うと、もう1段あることがあって。立っている最初の段を「なし」にして数える人もいれば、「あり」にして数える人もいるんですよ。そういうときは怖いです。
神経障害で足の感覚がないので、階段を踏んでいる感覚もないんです。だから階段はとくに怖いですね。
――人工透析を受けてらっしゃるとお聞きしました……。
老廃物を体から排出する腎臓が機能していません。だから人工透析を受けています。6年前からですね。腎臓が悪いと、吐き気がずっと続いて食欲がない。どんな匂いも気持ち悪いんです。具合の悪さに薬が追いつかないんですよ。それで始めました。

