人生を重ねて分かったこと

誰かといても、いなくても(写真:iStock)
この感覚、アラサー・アラフォー世代なら、思い当たる人も多いはずだ。
ひとりでケーキを食べる夜も、友達と軽くご飯を食べる夜も、早めに布団に入る夜も、全部「悪くない」と思えるようになる。
それは、諦めたからではない。むしろ、“ちゃんと選べるようになった”からだ。
若い頃は、「恋人がいないと寂しい人」「家族がいないと不完全」そんな価値観を、無意識に刷り込まれてきた。
だから、クリスマスにひとりでいる自分を、必要以上に惨めだと思い込んでいた。
でも、人生を重ねると分かってくる。
誰かと一緒にいても、心が満たされない夜はあるし、ひとりでも、穏やかで幸せな夜は確かに存在する。
「ひとり=不幸」ではない

少しだけ自分に優しく(写真:iStock)
佳奈は言う。
「もう、“かわいそうなクリスマス”って言葉自体、古くない?」
確かにそうだ。ひとり=不幸、という単純な図式は、とっくに現実に合わなくなっている。
大切なのは、無理に誰かと過ごすことでも、イベント感を演出することでもない。
その夜を、どう過ごしたか。自分をちゃんと労われたか。「今年もよくやったね」と、自分に言えたか。
アラフォー世代のクリスマスは、誰かに見せるためのものじゃなく、比べるためのものでもない。
静かに一年を振り返り、少しだけ自分に優しくなる夜。
それができるようになった私たちは、たぶんもう、“寂しい側”ではない。クリスマスの正解を、自分で決められるようになっただけだ。
