水耕栽培という選択――差別化と効率性の両立
フィンガーライムの栽培方法として水耕栽培を選んだ理由は、大きく2つあります。
ひとつは、フィンガーライムの希少性が高いと言われているものの、栽培を始める農家が増えてきており、同じ方法では差別化が図れないと感じたためです。
もう1つは、私自身が農業の初心者だったことです。今思うと、少しでも農業経験があれば、迷わず土耕栽培を選んでいたかもしれません。
水耕栽培には、いくつか明確なメリットがあります。
まず、水やりの頻度を大幅に減らせることです。夏場は毎日のように水やりが必要になる場合がありますが、経験上、週に一度で十分だと感じています。そのため、数日間であれば水やりの心配をせず旅行にも行けます。
次に、肥料を無駄なく使える点です。土耕栽培では、肥料が地中深くに流れたり外に漏れたりすることがありますが、水耕栽培では養液がその場に留まり、必要量を抑えることができます。
結果として費用の削減にもつながります。
3つ目のメリットは、根の状態を直接確認できることです。栽培を進める中で、育成の鍵は根の健康にあると分かりました。根が元気であれば生育も良く、逆に状態が悪くなると枯れにつながってしまいます。
一方で、水耕栽培ならではのデメリットもあります。最も大きい点は、養液(肥料)の細かな管理が必要になることです。当社でも、毎週の潅水に合わせてpH(水素イオン指数・酸性・アルカリ性)とEC(電気伝導度、肥料濃度(塩類濃度))を測定し、水質の調整を行っています。
水耕栽培は、差別化と効率性を両立できる一方で、繊細な管理が求められる挑戦でもあります。
フィンガーライムの特徴と食べ方

フィンガーライムはオーストラリア原産の果実で、名前の通り指のような細長い形をしており、ライムの一種とされています。果実を割ると、小さな粒が弾けるようにあふれ出し、キャビアを連想させる独特の果肉を楽しめます。この見た目から「キャビアライム」や「森のキャビア」とも呼ばれています。
品種も多く、イエロー、レッド、ピンク、グリーンなどさまざまな色があり、それぞれ少しずつ風味が異なる点も魅力です。
食べ方としては、レモンなど酸味のある食材が好きな方は、そのまま食べていただいてもプチプチした食感を楽しみながらおいしく味わえます。
また、レモンやすだちの代わりとして添え物に使われることも多く、肉料理では鶏のからあげ(特におすすめです)やローストビーフ、魚料理では白身魚の刺身や牡蠣との相性が抜群です。さらに、発泡酒やサイダーなどの飲み物、バニラアイスやケーキといったデザートにもよく合い、幅広い楽しみ方ができます。

