ボストン・セルティックスのジェイレン・ブラウンは、攻守のバランスが取れたリーグ屈指の2ウェイプレーヤーとして知られる。198cm・101kgのスウィングマンは今季、相棒ジェイソン・テイタムの離脱の影響で、キャリア最高のシーズンを過ごしている。
ここまで26試合に出場し、リーグ5位の平均29.3点に6.4リバウンド、4.9アシスト、フィールドゴール成功率49.7%、3ポイント成功率36.4%をマーク。開幕前は苦戦が予想されたセルティックスをイースタン・カンファレンス3位に導く原動力となっている。
ブラウンは2016年のドラフト1巡目3位でセルティックスに入団。当初は1年後輩のテイタムに次ぐ2番手として見られていたが、24年のプレーオフでカンファレンス・ファイナルMVPとファイナルMVPに輝き、自身の地位を確立した。
その成長の過程で、大きな支えとなったのが、殿堂入り選手のTマックことトレイシー・マッグレディだった。
ブラウンはバスケットボールと人生をテーマにした『The White Noise Podcast』で、自身が最も影響を受けた2人の選手について言及した。
「子どもの頃に好きだった選手は、コビー(ブライアント)とTマックだった。コビーのメンタリティも大好きだったけど、Tマックは本当に一番の憧れだったんだ。6フィート8インチ(203cm)のポイントガードみたいな存在で、長い手足を活かしたクロスオーバーや、スムースなプレーなど独創性があった。
もっと健康なキャリアを送れていたらと思うけど、今では彼は僕のメンターなんだ。これまで何度も話をしてきて、メンタル面や、キャリアの決断に大きな影響を与えてくれた」
マッグレディは高校卒業後の1997年にトロント・ラプターズでプロデビュー。00年に移籍したオーランド・マジックで才能を開花させ、03、04年には2年連続で得点王のタイトルを獲得、オールスターには01年から7年連続で選出されるなど、リーグ屈指のスコアラーとして一時代を築いた。
ブラウンは番組内で、マッグレディの自宅を訪れたエピソードも披露している。
「Tマックがヒューストンの家に招待してくれて、数日間家族と一緒に過ごした。ワークアウトをしたり、バーベキューをしたり、スポーツや人生について話したりね。本人には言ったことがないけど、彼は僕の人生にとって本当に大きな存在なんだ」
今季セルティックスで10年目のシーズンを迎えたブラウンは、かつて他球団でプレーすることも真剣に考えていた。しかし、そんな彼を思いとどまらせたのがマッグレディの助言だったという。
「ボストンで状況が厳しい時期もあった。なぜか毎年のようにトレード話に名前が出ていた。そんな時、Tマックは『残れよ』って言ったんだ。正直驚いたよ。だってTマック自身は、オーランドで“本来のTマック”になるために移籍した選手だからね。
でも彼は言ったんだ。『もし勝てるチャンスがあるなら、(セルティックスに)残って勝て』って。その言葉はずっと心に残っている」
ブラウンがNBAで現在の地位を築けたのは、もちろん本人の努力による部分が大きい。だが、キャリアの岐路で背中を押し、“道しるべ”となったTマックも不可欠な存在だったと言えるだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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