現地12月21日に行なわれたスコティッシュ・プレミアシップ第18節で、セルティックはアバディーンを3-1で下し、公式戦の連敗を4で止めるとともに、ウィルフリード・ナンシー新監督に5戦目にして初勝利をプレゼントした。
新体制で黒星を重ね、クラブの最多連敗記録に並ぶところだった王者は、この正念場のホームゲームで39分に先制。敵陣でのボール奪取から始まった速攻で、左サイドを抜け出した前田大然がマイナスに折り返すと、フリーのベンジャミン・ニグレンがダイレクトでゴールに突き刺した。
しかしその後、再三訪れる追加点のチャンスで、相手GKの好守、ポスト、クロスバーに阻まれてゴールネットを揺らせず、74分には後半を10人で戦ったアウェーチームにカウンターから失点を許す。悪夢は継続するかと思われたが、終了間際の88分に右からのクロスをファーポストのキーラン・ティアニーが頭で詰め、さらにアディショナルタイムにはパスでの崩しからジェームズ・フォレストがダメを押した。
就任後4戦4敗(国内リーグのハーツ戦、ダンディー・U戦、ヨーロッパリーグのローマ戦、リーグカップのセント・ミレン戦)と、早くも解任の危機にさらされていたフランス人指揮官が何とか首をつないだ。
その重要なホームゲームで先制アシストを記録したのが前田だった。前半終了間際には相手選手の一発退場に繋がるファウルを誘発し、再三守備ラインの裏側に抜け出してチャンスを創出。スコットランドの日刊紙『DAILY RECORD』は前田に10点満点の採点で「7」を与え、セルティックのクラブ専門サイト『67HAIL HAIL』は及第点の「6」で「幾つか良い走り出しを見せ、ゴールチャンスも何度か作った」と寸評した。
『THE SCOTSMAN』紙は、「前田は左ウィングのポジションで、再び調子を取り戻しつつあるようだ。セルティックは、このサイドからの攻撃で最も破壊力を発揮していた。1月以降も彼をチームに留めておくべき。日本人選手は今夏に退団を望んでいたが、今後さらに6か月は残留するだろうとの見方が出ている」と評し、その去就にも言及した。
一方で、『DAILY RECORD』紙は「幾つかのチャンスを無駄にしてしまった」、『67HAIL HAIL』は「少なくとも1点、もしかすると2点はこの試合で決めていなければならなかった」と、前田自身が得点機を迎えながらも、これを活かせなかった点にはネガティブな見解を示している。
とはいえ、チャンスを逃したのは日本代表アタッカーに限った話ではない。データ専門サイト『FOTMOB』によれば、セルティックはボールポゼッション73%、シュート31本(枠内10本)、パス成功率91%、決定機7回、ゴール期待値4.53を記録し、圧倒的優勢に試合を進めながらも、試合終了間際までそれがスコアに反映されなかった。
スポーツ専門サイト『GIVEMESPORT』は、「セルティックは30回以上の得点チャンスを創り出したが、最終局面でのクオリティーと冷静さを欠いたため、ほとんど自滅しかけていた。全体的に決定力を欠いていた中で、最も顕著だったのがFWジョニー・ケニー。5本のシュートを放ったものの、そのいずれも枠内に飛ばせなかった」と指摘し、決定力向上のための戦力補強の重要性を強調している。
「現在、セルティックは複数の攻撃的選手を欠いているが、1月の移籍市場でナンシー監督が信頼できるストライカーを必要としているのは明らかだ。これだけ多くのチャンスを創れている以上、スコットランドの名門には、確実にボールをゴールネットに突き刺す冷酷なフィニッシャーが必要だ。安定感のある、信頼できるゴールスコアラーを見つけられない限り、独走する首位ハーツとの差を詰めようとする中で、セルティックは今後も自らを苦しい状況に追い込み続けるだろう」
ナンシー監督は、天を仰ぐシーンが多かったこの90分間を振り返り、「ポストに当たったシュートが4回もあった。私のキャリアにおいて、こんな試合は初めてだ。我々はもっと報われるべきだった」と語った。それでも窮地を乗り越えて勝ち切ったチームを「普通のチームなら崩れていたかもしれないが、我々は波状攻撃を何度も何度も続けた。その点を本当に誇りに思う。自分たちのやり方が正しかったと実感できるのは喜ばしい」と振り返った。
構成●THE DIGEST編集部
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