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名作の再起動が続く今、あえて推す「まだアニメ化されていない」完結マンガ4選

名作の再起動が続く今、あえて推す「まだアニメ化されていない」完結マンガ4選


『20世紀少年』完全版 デジタル Ver. 第15巻 著:浦沢直樹(小学館)

【画像】え…っ!「激似すぎ」「同一人物では?」 今見ても驚く『20世紀少年』実写キャストを知る(4枚)

あの傑作を今こそ。アニメ化待望の作品たちと注目ポイント

 近年、かつて「完結済み」とされた名作マンガが、初アニメ化あるいは再アニメ化されるという流れが増えています。テレビやNetflixなどの配信を通じて、あの頃夢中になった作品が見られるという現象は、往年のファンにとって胸踊る瞬間ではないでしょうか。1990年代から2000年代にかけて人びとを魅了しながらも、アニメ化に至らなかった作品のなかで、妄想と願望を込めて「この作品のアニメ化を見たい!」と思うものを4作品集めました。

『20世紀少年』あの曲を流して、最後まで描き切ってほしい

 少年時代の無邪気な「よげんの書」が、大人になった彼らを追い詰める世界的陰謀へと変貌します。1999年から2006年にかけて連載された、浦沢直樹先生による大河ミステリーの金字塔『20世紀少年』は、過去と現在、未来が複雑に交錯する物語として社会現象にもなりました。

 実写映画化こそされたもののアニメ化は寸止め状態だった本作が、もしもアニメ化するのなら、やはり楽しみなのは「音楽」です。物語の象徴でもあるT.Rexの名曲「20th Century Boy」をはじめ、作中で主人公「ケンジ」が弾き語るボブ・ディランやローリング・ストーンズの楽曲を、本編でも流してほしいと考える人は多いのではないでしょうか。そして、連載終了後に加筆修正された「完全版」で語られた数々の要素を盛り込み、作品の真の完結を描ききってほしいと願ってやみません。

 なお、浦沢直樹先生の名作『MONSTER』のアニメは、現在複数の配信サイトで視聴できます。今作の制作はマッドハウスで、作中の緊迫感や美しさと儚さの漂う各シーンを見事に表現していました。もしも『20世紀少年』がアニメ化されるのなら、ぜひマッドハウスに担当してほしい、なんて妄想を抱いてしまいます。

『Eden: It’s an Endless World!』パンデミック後の世界

 遠藤浩輝先生によるSF巨編『Eden: It’s an Endless World!』は、致死率15%を誇り、人体を硬化させ溶解させる「クロージャー・ウィルス」のパンデミックによって変容した近未来を舞台としています。コロナ禍を経た2025年の今、未知のウイルスによる社会の分断や変容を描いた本作は、かつてないリアリティを持つようになりました。

 本作の魅力は、サイバーパンク的なガジェットのかっこよさと、哲学的な問いかけ、そして容赦のない残酷描写の融合にあります。主人公の「エリジャ」が、軍事組織による支配、新興宗教の台頭、科学技術の管理のなかで成長していく姿は、痛々しくも美しいものです。性暴力や民族紛争、人体損壊といったタブーも正面から描かれる本作を、ぜひ現代の映像技術を駆使して表現してほしいと思います。


『おやすみプンプン』第1巻 著:浅野いにお(小学館)

「夢にときめけ!明日にきらめけ!」意外にもアニメ化されていなかったヤンキーものの金字塔

『ROOKIES』直球ど真ん中の熱血ドラマをアニメでも観たい

 森田まさのり先生の『ROOKIES』は、実写ドラマ・映画になり大ヒットを記録しました。「夢にときめけ! 明日にきらめけ!」という熱血教師「川藤幸一」のセリフはあまりにも有名です。ヤンキーものの金字塔である本作は、意外なことにまだアニメ化されていません。

 現在の最新技術を駆使すれば、森田先生の圧倒的な作画やキャラクターの暑苦しい表情を、そのまま再現することも可能かもしれません。その上で、「ニャー打法」などのコミカルなシーンと、乱闘や試合中のシリアスなシーンのギャップを楽しみたいです。

 さらにプラスしてほしいのが、スポーツアニメならではの迫力ある音響表現です。バットがボールを捉えたときの重低音、ミットから響く捕球音、そして甲子園のスタンドの歓声。そんな数々の音を大迫力に味わえたら、これ以上の喜びはないでしょう。

『おやすみプンプン』プンプンの「絵」と「声」の表現を目にしたい

 最後に紹介するのは、浅野いにお先生の『おやすみプンプン』です。本作は2013年に連載終了と少し年代がずれますが、2025年に配信されて話題になった『タコピーの原罪』のような絵柄とストーリーのギャップがたまらない作品です。一見すると落書きのような主人公「プンプン」のかわいらしさとは裏腹に、ページをめくれば息が詰まるほどリアルな鬱屈と歪んだ愛が描かれる本作は、多くの読者の心をさまざまな角度からえぐりました。

 プンプンの記号的なキャラクター描写と、その周囲の精細な描写のギャップを、アニメはどう表現するのか。そんな疑問を抱いて以来、この作品のアニメ化を観たい気持ちがどんどん膨らんでいきました。またプンプンの「声」をどのように表現するのかも非常に気になります。普通の少年なのか、電子音のようなノイズなのか、あるいは……。『おやすみプンプン』をアニメ化するのなら、ぜひ実験的なアプローチを見せてほしいです。

 4作品はどれもジャンルはバラバラですが、それぞれにアニメ化されたときの「ここはどうなる?」という注目ポイントがあります。今だからこそできる表現がもちいられることで、懐かしい作品群にどんな命が吹き込まれるのか、アニメが実現して放送されたあかつきには、ぜひ視聴者の皆さんと感想を語り合いたいものです。

配信元: マグミクス

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