・損傷なし
ケーキをどっしり支えて保護しているのは、やはりこの紙の土台。わくわくさんが作ったのか? と聞きたくなるようなアナログ感満載の仕掛けだが、その効果は絶大だ。
下に巻いてある保護シートも相変わらず強固である。フィルムではなく、ほぼプラスチック板なのも去年と同じ。
おかげで、この見るからに複雑なフリル状の生クリームは一切崩れることなく、美しく整列している。もはや崩れる方が難しいのではないか? と思わせるほどの安定感である。
味に関しても、変わらず高クオリティで安心した。甘さを控えた上品な味わいの生クリームは、やはり一般的なイチゴショートとは一線を画す。
ただ、イチゴがぎっしり詰まりすぎていてカットするのが難しい。せっかく見事な状態で届いたのに、最終的に自分の手で無残に崩すという、西洋の童話みたいなオチとなったのだった。
・意外な変更点
一点だけ昨年と明確に違うポイントを挙げるとすれば、それはアフターケアの形式である。
去年は商品到着後、しばらくすると高島屋から「ケーキの状態はいかがでしたか?」という確認の電話がかかってきた。もちろん自動音声ではなく、生身のオペレーターからだ。
一軒一軒電話をかけるというその執念に近い対応に、私は高島屋の本気を見た気がしたのだが……。しかし今年、そういった電話はなかった。代わりに届いたのは、不備があった場合の案内メールである。
このことを対応の簡略化と捉えるか、あるいは自信の表れと捉えるかは人それぞれだろう。私にはこれは、高島屋がようやく “グチャグチャ事件” という悪夢を乗り越え、通常運転に戻った証のように思えてならない。
あの騒動から2年。高島屋のクリスマスケーキは、もはや崩れるかどうかを心配する対象ではなく、ただ純粋においしいケーキに戻ったと言っていいのではないか。
現場からは以上だ。それでは皆さん、メリークリスマス!
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
