星間塵

ガイアが観測したのは恒星だけではありません。天の川銀河の星と星の間の空間には何もないわけではなく、塵やガスの雲で満たされています。星はそのようなガス雲から誕生します。ガイアは、星の位置や散乱光を精密に測定することで、星間物質による星の光の吸収をマッピングできます。
この全天マップは、天の川銀河の星間塵を示しています。銀河面中央のように黒い領域は塵が多い部分で、塵の量が少なくなるにしたがって黄色へと変化しています。銀河面の上下の青いところは塵が少ない領域です。
化学組成

ビッグバン直後の宇宙ではほぼ水素とヘリウムしかありませんでした。そのため第1世代の星(ファーストスター)は軽い元素だけでできており、炭素や酸素など重い元素は恒星の中心核で核融合によって作られ、超新星爆発などで宇宙へばら撒かれます。ばら撒かれた星の残骸は、次の世代の星の材料となります。
この全天マップは、恒星の金属量を示しています。赤いほど金属量の多い星です。なお天文学で「金属」というときは、リチウムより重い元素のことを指します。化学組成を示した全天マップを見ると、銀河中心や銀河平面に近い星は、遠くにある星よりも金属量が豊富なことがわかります。星の金属量を調べることで、星の進化や天の川銀河の歴史に迫ることができます。
Image Credit: ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO, CC BY-SA 3.0 IGO
(参照)ESA

