最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
「ガンダム作品でありながら極上のスパイ・サスペンス映画」…編集長が語る、大人が『閃光のハサウェイ』にハマる3つの理由

「ガンダム作品でありながら極上のスパイ・サスペンス映画」…編集長が語る、大人が『閃光のハサウェイ』にハマる3つの理由

2026年1月30日(金)に劇場公開される「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」
2026年1月30日(金)に劇場公開される「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」 / (C)創通・サンライズ

2026年1月30日(金)、ついに映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章となる「キルケーの魔女」が公開される。WEBザテレビジョンでは、本作の公開を記念して総力特集を展開。第1弾特集記事となる今回は、自らを「ガンダムと同い年」と語るWEBザテレビジョン編集長が、本作の魅力、そして「大人がハマる理由」を熱く語ります。

■ガンダムファンである編集長が語る映画「閃光のハサウェイ」の魅力

今回はついに待望の第2章が公開される「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」についてその見どころを、ガンダムファンWEBザテレビジョン編集長の加藤が紹介します。現在45歳、実は1作目「機動戦士ガンダム」の放送時期とほぼ同じの1980年生まれで、ガンダムファンとしてはちょっと嬉しいポイントなんです。

どれくらいのガンダムファンなのかというと、物心ついた幼稚園の頃からずっとガンダムが好きで、小さい頃の夢を文集に「ガンダムになりたい」と書いていました。「乗りたい」じゃなくて「なりたい」なんです(笑)。だから、ずっと後に「機動戦士ガンダム00」で刹那・F・セイエイが「俺がガンダムだ!」と言い放ったあのセリフに本気で嫉妬しましたね。「先を越された!」と(笑)。

そんなガンダム愛ですが、ジオン公国系のデザインよりも、連邦軍のモビルスーツデザインが大好きで。さらに言えば、「宇宙世紀」だけでなく、「オルタナティブシリーズ」の新しい世界観のガンダムも両方愛しているタイプのガンダムファンです。

ガンプラは“墨入れ”をしている行程が一番楽しくて、RGシリーズが好きでほぼ作っています。名刺入れも15年くらい「シャア専用ザク」を使っていて、最近は「ガンダムSEEDシリーズ」に登場する「フリーダムガンダム」と「ジャスティスガンダム」の名刺入れも使っています。これを出すと、初対面の方とも「お、ガンダムですね」なんて話が弾む、便利なコミュニケーションツールでもあります。

意味も分からないのに無理して小説版を読み込んでいた子ども時代で、キッズロボアニメらしい勧善懲悪なハッピーエンドではなく、ガンダム特有の「悲しい物語」に惹かれていました。大人の物語を見ているような背伸び感というか、悲哀の中に美学を感じていたんですね。そんな大のガンダムファンである私が、いよいよ公開される第2章「キルケーの魔女」を前に改めて、ガンダムファンじゃなくても楽しめる「閃光のハサウェイ」という作品のキャッチーなポイントを紹介します。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より / (C)創通・サンライズ


■男子の「夢」と「中二病」を全肯定する、スパイ・サスペンス映画のような緊張感

「閃光のハサウェイ」は、もともと1989年に出版された富野由悠季監督による小説が原作です。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で描かれた「シャアの反乱」から12年後の世界を描いた、「機動戦士ガンダム」から続く宇宙世紀を舞台に描かれるいわゆる「宇宙世紀シリーズ」。物語は非常に悲しい結末を迎える作品ですが、それはまたの機会に紹介します。まずは本作の世界感の魅力について。

主人公のハサウェイ・ノアは、あのアムロ・レイと共に戦った英雄ブライト・ノア艦長の息子。表向きは植物監察官の候補生という立場を装っていますが、その裏の顔は、反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」なんです。これ、男の子なら一度は妄想するシチュエーションじゃないですか? 「俺は表向きはただの冴えない男だが、実は世界中から注目される組織のリーダーだ」みたいな(笑)。

ハサウェイの正体に近づく謎の美少女ギギ・アンダルシア、そしてマフティー掃討の任を受け、マフティーを追う連邦軍大佐ケネス・スレッグ との“危うい”関係。

ハサウェイが街中でギギと過ごしているときも、実は組織の仲間が監視してサポートしている。「何やってんだリーダーは」なんて思われながらも、正体がバレないように立ち回るシーンや、ケネスと一緒に食事をするようなハラハラするシーンも。この「スパイ映画」のような緊張感がたまらないんです。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より / (C)創通・サンライズ


■「ミサイル」で堕ちるガンダムやパニック映画のような徹底的なリアル路線の戦闘シーンに脱帽

ガンダムと言えばモビルスーツの戦闘は欠かせないですが、本作の描写は「恐怖」を感じるほどリアルです。「巨大兵器が街で戦うとはどういうことか」を、人間の目線で突き詰めています。

かつて映画「機動戦士ガンダムF91」で、コロニー内の市街戦で発砲されたモビルスーツ用ライフルの巨大な薬莢が、逃げ惑う母親を直撃し抱えていた赤子を残して命を落とすというトラウマ級の描写がありました。「閃光のハサウェイ」の第1章では、そのリアリティがさらに進化しています。市街地でのMS戦闘シーンでは、ビームによって溶かされた装甲が、高熱の溶解液や榴弾となって街に降り注ぎます。モビルスーツが着地した風圧だけで街路樹がなぎ倒され、逃げまとう人々の様子はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。そこにいる人間が「死」を感じるパニック映画としての一級品の描写は、制作陣の本気を感じざるを得ません。

特に第1章のラスト、ハサウェイが乗るΞ(クスィー)ガンダムと、レーン・エイムが乗るペーネロペーの対決シーン。ガンダムシリーズと言えば、ビーム・ライフルやメガ粒子砲、ファンネルといった「ビーム兵器」が最強の象徴でした。しかし本作(第1章)では、「ファンネル・ミサイル」という実弾兵器(誘導弾)が鍵を握りました。

ハサウェイが駆るΞガンダムが放つ、雨あられのような大量のミサイル。その弾幕によって、ペーネロペーが一瞬で撃墜される。ガンダム史上、「ガンダムがミサイルで撃ち落とされる」という描写は極めて稀で、これは地上戦(大気圏内)でガンダム同士が戦ったらどうなるのか、をリアル路線で突き詰めた結果なのだと思いました。そのシーンは秒数にしてわずか20秒ほどの中で、15~16発が命中(したように見える)し、「リアルな戦闘は一瞬で決着がつく」と言わんばかりの圧倒的な迫力と説得力には度肝を抜かれます。私はこのシーンだけでも50回は見たと思います(笑)。

そして登場する主役機、「Ξガンダム」とライバル機「ペーネロペー」。この2機、デザインが複雑でシルエットも巨大。長年「映像化は不可能」と言われてきました。多くの人が想像する、“国民的メカ”と言えるガンダムの姿とは程遠い、禍々しい悪魔のようなデザイン。だからこそ、ついに映像で動いたときの感動は凄まじいものがありました。

この、リアルな戦闘描写も、映画作品ならでは。重厚な物語をよりディープに演出しています。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1章より / (C)創通・サンライズ


■「天才か、凡人か」…ハサウェイ・ノアという男の“万能感”

ハサウェイという男の成長も、宇宙世紀ファンには感慨深いものがあります。

映画「逆襲のシャア」の頃の彼は、勝手にモビルスーツを持ち出して敵を撃墜してしまう(子どもが戦闘機で撃墜なんて普通ありえないんですが!)ほか、仲間を撃ち落とすというとんでもないことをしでかす「大人たちを困らせる子ども」の印象でした。「逆シャア」を観た人は「何やらかしてんだこの子どもは!」と思った人も多いでしょう(笑)。

それが本作では、ハイジャック犯を生身で制圧し、世界で注目される組織を作り上げ、リーダーとして構成員から“崇拝”に近い感情を寄せられるカリスマ性を持ち、さらに自らガンダムを駆るエースパイロットになっています。第一章では、ある種007シリーズのジェームス・ボンドのような“無敵感”のある男として描かれ描かれています。

特に痺れたシーンを抜粋。まず、ペーネロペーとの戦闘中に、味方のガウマンが人質に取られたシーン。ハサウェイは敵パイロットのレーンに向かって「レーン・エイム! 人質を取らなければ戦えぬ、情けない奴なのだな」と一喝。ビーム・ライフルでロックオンされながらも、戦闘中に無防備にコックピットハッチを明けて空中でガウマンを受け取るんです。この胆力、度胸たるや凄まじい。そしてガウマンに対して「これからが地獄だぞ」と一言。シンプルにカッコいいシーンでした。

宇宙でΞガンダムを受領するシーンも印象的です。やり直しの利かない一度だけのランデブーポイントに向かい、恐怖とプレッシャーに怯える部下を「大丈夫だ」と毅然となだめて、トム・クルーズがミッション・インポッシブルシリーズで生身のスタントを繰り広げるが如く、命綱なしで宇宙空間を飛び移ります。

本シリーズのヒロイン、ギギ・アンダルシアとのシーンもある種の無敵の男でした。成り行きでギギと同じホテルの部屋に拘束されることになったハサウェイ。外出に誘おうと声かけようとすると、偶然にも着替えの最中で半裸のギギを目撃してしまう。いわゆる“ラッキースケベ”のシーンで、主人公が慌てふためくのがアニメ表現では定番ですが…ハサウェイは悪びれもせずに、「どこかまわず裸でいる女は嫌いだな」と落ち着いて言い放ちます。絶世の美女を前にして、こんな肝の据わった対応ができる年ごろの青年がいるでしょうか?(笑)

彼はアムロやシャアのような「ニュータイプ(新人類)」なのか。それとも、ただの「凡人」が英雄を演じているのか。作中では明確なニュータイプ描写は少なく、その曖昧さがまた、ハサウェイという男の危うさと魅力を引き立てています。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より / (C)創通・サンライズ


■第2章「キルケーの魔女」への期待

1月30日に公開される第2章「キルケーの魔女」では、原作小説の中巻にあたる物語が描かれるはずです。タイトルの通り、魔女のような魅力を持つギギ・アンダルシアの存在感がさらに増していくでしょう。果たしてギギは「勝利の女神」なのか、「破滅に導く魔女」なのか…。

今回、見どころとして紹介したポイントは最新作「キルケ―の魔女」でも注目してほしいです。ハサウェイ、ケネス、レーンたちの戦いが激化し、第一部ではラストのみの登場だった「怪物」たち、Ξガンダムとペーネロペーが、今度はガッツリと激突するはず。謀略と戦闘が激化し、そしてハサウェイの「万能感」と「危うさ」もリアルに描いてくれるでしょう。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より / (C)創通・サンライズ


ガンダムファンから見ても「閃光のハサウェイ」は、大人の鑑賞に堪えうる、極上のサスペンスであり、人間ドラマです。怒られるかもしれませんが、ガンダム作品と思わずに見ても映画として楽しめると思います。

まだ「閃光のハサウェイ」に触れていない方は、ぜひこの機会に第1章から通して観てみてください。
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第2章「キルケーの魔女」本予告より / (C)創通・サンライズ


あなたにおすすめ