(写真は記事内容を表現したイメージです。画像生成AI「ChatGPT」を利用して作成しました)ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんが23日、自身のYouTubeチャンネルで動画を更新。死因=心不全の“本当の理由”について専門家が説明しました。
■迷ったら「心不全」千葉大学法医学教室・岩瀬博太郎教授を迎えた今回。『死体は今日も泣いている~日本の「死因」はウソだらけ~』 (光文社新書)の著者でもありますが、丸山さんは本の内容にある「迷ったら心不全」という部分に注目。
「死因を心不全にする裏側では、なにが起きているのか…」と質問を投げかけると、岩瀬教授日本の“解剖率”について言及しました。
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■日本の解剖率「異常に低い」「日本の解剖率は、ほかの国に比べて異常に低い」というように、ヨーロッパでは数十%、スウェーデンでは90%解剖したんですけど、日本では10%しか解剖できない」「残りの90%は、解剖など科学的な検査をせずに死因を判断する」と、解剖率は日本全体でも低いうえに、都道府県によっても違うと説明。
解剖しない=見た目では死因がわからない=心臓は止まっている=心不全と書く医師が多いと伝えました。
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■報道を見て「大丈夫かな」「心不全」は、心臓が止まっていることを意味するため、丸山さんは「死因ですけど、その括りはすごく広くないですか?」「つまり『死にました』って言ってるだけですよね」と疑問を投げかけます。
死因を「心不全」と発表していることは多々見られますが、丸山さんが「先生から見たら『え、なにもわかってないんじゃないの?』ってことになりますか?」と問うと、岩瀬教授は「まったくその通りで『大丈夫かな』と常々思って見ています」と頷きました。
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■「行政や国側がしないといけない」日本の解剖率が低いことに「人員予算の問題だから、お医者さんたちのモチベーションだけの話ではないですよね」「低いなら、増やす努力を行政や国側がしないといけないってこと」と話すと、岩瀬教授も「まったくその通り」と共感。
使命感を持ち、モチベーションの高い医師がいても「予算がない」という理由で断られるという現状に、岩瀬教授は「システムとして、国の姿勢がないせいですよね」と語ります。
丸山さんは、視聴者に対して「『心不全』って当たり前のように書くけど、『なにもわかってない』というキーワードだと思ってニュースを見ると、心不全が溢れていることに愕然としますよ」と伝えました。
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■家族を悩ませる「心不全」筆者の母親も亡くなっていますが、突然の吐き気に襲われてから半年ほどで他界しました。さまざまな検査をしてもなにも見つからず、数十年前に完治した「乳がんの転移かもしれない」とも言われましたが、セカンドオピニオンでお世話になった病院では「経過している年月では、その可能性はない」との判断。
そして亡くなったときには「心不全」だったことに納得できなかったものです。日本の解剖率の低さと、それゆえに曖昧にされてしまう「死因」。丸山さんが指摘するように、ニュースで流れる「心不全」という言葉の裏側にある“何もわかっていない”という現実に、私たちはもっと目を向ける必要があるのかもしれません。
■長谷川 瞳
10年以上の放送作家の後ウェブの世界へ。多くのインタビュー経験を経てエンタメや社会問題の記事を書く日々。ストレス解消法は、愛犬(ポメラニアン)に顔をうずめること。
■死因が「心不全」の理由 (文/Sirabee 編集部・長谷川 瞳)